マンション購入術/マンション情報収集術

不動産の儲けの仕組みを知る4.販売の舞台裏(前編)(3ページ目)

シリーズ不動産会社の儲けの仕組みを知る」4回目は、「販売の舞台裏(前編)」をお届けします。販売のスケジュールにそって、3回に渡りお届けする「販売の舞台裏」。前編では、予告広告と優先案内会の舞台裏をお話します。予告広告って、いつ頃から始まるのでしょか。

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

これからの家族と住まいガイド

友の会誌は、「大手が手掛けるマンション販売の情報源に

三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、野村不動産、住友不動産、東京建物などマンション大手企業が手がけるマンションについて、いち早く販売情報を入手したければ、友の会に入会して定期刊行物である会報誌を送ってもらうという、方法があります。三井不動産レジデンシャルの会報誌「こんにちは」は発行部数が月間約20万部と言われる巨大メディアです。

こうした会報誌を定期購読しておけば、居ながらにして早期に販売情報を入手することができるというわけです。最近販売される都心立地の大規模マンションのほとんどは、大手不動産会社が手がけています。特に大規模マンションを検討する方は、友の会の会報誌を定期購読することで、マンションの販売開始情報をもれなくキャッチすることができるでしょう。

ただし、会報誌送付の依頼と引き換えに、希望する物件に関する詳細なアンケート項目に記入することが求められます。これは、不動産会社が販売するマンションについての顧客リストとなり、自分が希望しない物件(不動産会社が買って欲しい物件)のDMが会報誌とは別に、相当数送られてくることも、覚悟しなければなりません。

あなたにとって、マンションの販売情報を、楽して入手できる会報誌は、大手不動産会社にとって顧客囲い込みのツールとなるのです。ただし、大手の会報誌の購読者は見事に重なっているので、顧客囲い込みは独占的とはいかないという実態があります。

チラシ中心の小規模マンションの販売は見逃すことも

広告はマンションの規模により手法が異なります。30戸程度の小規模なマンションは前述のフリーペーパーは活用せず、マンションの所在地周辺にチラシをまく程度にとどめます。戸数が100戸、200戸と多い大規模マンションは、多数の集客が必要なため、広域に配布されるメディアを通して行います。そうしないと全戸契約が難しいためです。

ちなみに広告による集客に対する契約者の比率は一桁程度で、歩留まりは決して高くありません。半面、30戸程度であれば、チラシで地元の契約者を確保すれば販売の見込みがたつというマンションならではのマーケティングによるものです。もちろん、物件の規模により広告予算も決まってきます。小規模マンションは大規模に比べ予算額はすくないため、フリーペーパーなどのマスメディアには広告掲載ができないという、現実もあるのです。

したがって、小規模マンションの販売情報を漏らさず手に入れるには、住みたいエリアを特定し、そこに賃貸住宅を借りて移り住み、配布される新聞チラシを入手することが必要になります。そこまでできない!というのであれば、情報が来てくれるのを待つのではなく、能動的に不動産サイトをこまめに検索する必要があります。

次回は、購入方法についてお話しします。


【関連記事】
不動産の儲けの仕組みを知る1.原価の秘密(前編)
不動産の儲けの仕組みを知る2.原価の秘密(後編)
不動産の儲けの仕組みを知る3.お金の流れ
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