マンション購入術/マンション情報収集術

不動産の儲けの仕組みを知る4.販売の舞台裏(前編)(2ページ目)

シリーズ不動産会社の儲けの仕組みを知る」4回目は、「販売の舞台裏(前編)」をお届けします。販売のスケジュールにそって、3回に渡りお届けする「販売の舞台裏」。前編では、予告広告と優先案内会の舞台裏をお話します。予告広告って、いつ頃から始まるのでしょか。

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

これからの家族と住まいガイド

来訪者の数や反応をもとに、価格・販売戸数が決まる

予告広告の段階で消費者が売り手に問い合わせると、モデルルームの事前案内会への参加予約を勧められます。実はこの事前案内会は、一般のモデルルーム見学会に先駆けて行われるもので、価格や販売戸数を決めるための事前マーケテインングに該当するのです。事前案内会の参加者の数やアンケートの回答から参加者の購入予算などを分析し、価格や販売戸数を決定するためのデータとするのです。

もし、事前案内会への参加者が多く、物件に対する反応に好感触を得たりすると、売り手は価格を高めに設定したりするのです。逆に参加者が少なく反応が鈍いと、価格は弱気の設定となるわけです。

 

優先案内会などのイベントは、申込決定率を高めるのが目的

事前案内会、優先案内会とも言われますが、これは申込み率を高めるために、実施されるイベントです。モデルルームの一般公開を前に2~3回開催されるものです。予告広告の段階で物件友の会に入会した方などに対して案内されるもので、特定客限定の招待ですから、時間指定ができ煽り効果を演出することができます。

万一、混雑していなくても、招待された顧客は不思議には思いません。営業マンは「少人数に絞った特別内覧会なので少ないのです」と弱気にならずに、商談ができますし販売開始前に特別に招待されたという優越感を得た顧客は、申込を迫られることもない時機の気楽さが相まって比較的くつろいでくれるので、ひとりひとりじっくり接客できるのです。長時間商談ができるので、申込開始時の再来へつながるというわけです。

また、モデルルームの商談スペースは、サロン風のコーディネート、販売スタッフはおそろいの制服、飲み物はオーダー方式にするなどの演出をして、高い金額の買い物をすることへの高揚感を高める工夫もしています。さらに、再来を促すために、「住宅ローン相談会」や「インテリア相談会」などのミニイベントも実施しています。

このように、様々なアプローチで顧客を集め、申込の決定率を高めようとするのです。

次のページでは、販売方法の入手方法を見ていきましょう。一躍情報を掴むには、どうしたらよいでしょう。

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