東京都防災会議が3月最終報告をまとめた首都直下地震の被害想定を見ると、東京の街やマンションが大地震でどんな被害を受けるかが具体的にイメージできます。マンションを買う前に知っておきたい内容を確認しておきましょう。

今後100年以内にM7クラスの地震は数回発生する

報告書では東京湾北部地震と多摩直下地震について、地震のマグニチュード(M)や発生時刻、風速などの条件を変えてシミュレーションしています。このうち都区部への影響が大きい東京湾北部地震の被害予測を見ていくことにします。

ちなみに首都圏では200~300年ごとにM8クラスの地震が起きていますが、前回は1923年の関東大地震だったので、今後100年以内にこのクラスの地震が起きる可能性はほとんどないそうです。ただしM6クラスはより高い頻度で発生し、M7クラスも数回は発生すると考えられるのだとか。昨年7月23日に震度5強を観測した千葉県北西部地震はM6.0でした。

区部東部を中心に震度6強のエリアが広がる

まず震度ですが、東京湾北部でM6.9の地震が発生した場合、区部東部を中心に区部の約23%が震度6強に達すると予測しています。M7.3では都心から区部東部にかけて震度6強のエリアが広がり、区部の約49%を占めるとの予測です。東部で揺れが大きいのは、東京湾に近いほど地盤の軟弱なエリアが多くなるためです。

建物は都内にある約270万棟のうち、M6.9では約6万棟が全壊し、約21.5万棟が半壊。M7.3では約12.7万棟が全壊し、約34.6万棟が半壊すると予測しています。火災による被害は冬の夕方18時に起きた場合、M6.9で約18.3万棟が、M7.3で約31万棟が、焼失するとのことです。

約2800人が死亡。火災によるものが半数

同じく冬の夕方18時の場合の人的被害は、M6.9のときは約2800人が死亡し、その半数の約1400人が火災によるものとの予測です。負傷者は約7万5000人で、建物倒壊によるものが約3万2000人、家具の転倒など屋内収容物によるものが約2万4000人と試算しています。現在の新耐震基準では震度6強程度なら建物が倒壊しないことになっているので、倒壊が予測されるのは81年以前の旧耐震基準の建物ということでしょう。なお、M7.3の場合の死亡者数は約5600人と予測しています。

帰宅困難者が都内で400万人近くにのぼる

エレベーターが止まると避難を強いられる人が増えると予測される
エレベーターが止まると避難を強いられる人が増えると予測される
地震の直後に建物の被災が原因で避難する人は、M6.9の場合で約166万人、M7.3の場合で約287万人。1日後にはエレベーターや上下水道が止まるなど影響が大きくなり、M6.9では約271万人が避難すると見られています。

鉄道などの交通機関は震度5強でほとんど停止するため、都内で約392万人の帰宅困難者が発生。ターミナル駅では東京駅で約14万人、渋谷駅で約10万人、新宿駅と品川駅でそれぞれ約9万人が帰宅できずに駅で過ごすことになりそうです。