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料理を科学する、ヘストン・ブルメンタル

キッチンの錬金術師の異名を持つヘストン・ブルメンタル氏の料理は、ひとことでいえば科学。独自の世界観で人々を魅了しています。(C)Heston Blumenthal

古屋 江美子

執筆者:古屋 江美子

旅行ガイド

キッチンの錬金術師、ヘストン・ブルメンタル 

ヘストン・ブルメンタル

ヘストン・ブルメンタル氏 (C)Heston Blumenthal

海の音色

代表的なメニューのひとつ「海の音色」 (C)Heston Blumenthal

「キッチンの錬金術師」の異名を持つヘストン・ブルメンタル氏の料理は、ひとことでいえば「科学」。分子料理学を研究し、マルチセンサリー(多感覚)や脳がもたらす影響を調査。舌だけでなくあらゆる感覚を使って料理を楽しませてくれます。一例を挙げると、香りによって感情をかき立てたり、iPodで波の音を聴かせたり、そのアプローチは実に独創的です。

そんな彼の料理はすべて独学というから、これまた驚きです。1966年、ロンドン生まれ。16歳のとき、家族でフランスの3つ星レストランを訪れたのをきっかけに料理に開眼。シェフを志すことを決めます。

とはいえ夢はすぐに叶ったわけではなく、そこから10年間は料理を独学する傍ら、営業マンや借金取りたて人(!)などさまざまな仕事をして資金を貯めました。そして1995年、ロンドンから車で30分ほどのブレイという小さな村に「ザ・ファット・ダック」をオープンさせます。店はじわじわ人気を集め、2004年にはミシュラン3つ星を獲得しました。現在では科学者や歴史学者など幅広い人たちと協力しており、2006年には食科学への貢献がレディング大学に認められ、科学の名誉博士号も受けています。

ブレイの村にはザ・ファット・ダックのほかに、ブルメンタル氏が手がけるパブ、「ザ・ハインズ・ヘッド」もあり、2010年夏には2軒目のパブ「ザ・クラウン・アット・ブレイ 」も開業。サンドイッチやソーセージなど気軽なメニューがそろっています。また、2011/1/31にはロンドンのマンダリンホテルに「ディナー・バイ・ヘストン・ブルメンタル」がオープンし、ロンドンの中心でも彼の味を楽しめるようになりました。メニューはイギリス料理のモダンと伝統を巧みに融合したもので、なかには16世紀のレシピにヒントを得た料理もあります。

 
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