今年開店した、新星料理店「飯田」
「飯田」の外観
祇園祭りの山鉾巡行路である御池通と、歴史的近代建築が建ち並ぶ三条通に挟まれて平行に走る姉小路(あねやこうじ)は、賑やかな上下の通りと比べると、
昔ながらの町家も数多残る落ち着いた通りと言えましょう。この通りの「富小路西入る」にあった茶道具商宅が、雰囲気はそのままに、つい最近料理屋に生まれ変わったのです。その名は「飯田」。
ご主人は埼玉県出身で、金沢での修業を経て、長きにわたり京都の数々の有名料亭で腕を磨かれ、35歳にしてついに独立を果たされた飯田真一さんです。
個室もあります
今回はこの奥座敷で戴きましたが、床の間には季節を先取りした鬼洗い(厄払い)のお軸、天井の意匠や塗り壁、床の間横の引き戸の取っ手に至るまで、相当な普請道楽であったと推察される茶道具商の作り上げた空間は「ここはほんまもんしか受け付けまへん」と語り掛けてくるかのようです。
次ページでは、冬限定の「蟹コース」を御紹介します。