世界遺産/ヨーロッパの世界遺産

ケルン大聖堂:世界最大のゴシック建築/ドイツ(5ページ目)

世界最大のゴシック建築であり、完成まで632年を要したドイツの世界遺産「ケルン大聖堂」。そのコンセプトは「天」。神の国へ一歩でも近づこうとひたすら高さを求め、神の化身であるところの光を求めて限りない明るさを追い続けたケルン大聖堂の見所とその歴史・観光情報を紹介する。

長谷川 大

執筆者:長谷川 大

世界遺産ガイド

ケルン大聖堂への道

ゲルハルト・リヒターのステンドグラス

1974年に作られたゲルハルト・リヒターの格子柄のステンドグラス

■エアー&ツアー情報
最寄りの空港はケルン・ボン空港。日本から直行便はないので、ミュンヘン、イスタンブール、チューリッヒなどを経由する。あるいは直行便のあるフランクフルトや近郊のデュッセルドルフなどから陸路で向かってもいい。フランクフルトから直線距離で約150km、デュッセルドルフから約50km。格安航空券で10万円前後、ツアーは5日間13万円前後から。
ステンドグラス

様々な時代の作品が混在しているため、ステンドグラスを見て歩くだけでも楽しめる

■周辺の世界遺産
フランクフルトやケルンの周辺には観光名所がたくさんあり、様々なルートをとることができる。世界遺産を挙げると、フランクフルト近くの「ライン渓谷中流上部」、ケルンから電車で15分程度のブリュールにある「ブリュールのアウグストゥスブルク城と別邸ファルケンルスト」、同50分程度のエッセンにある「エッセンのツォルフェライン炭坑業遺産群」、同1時間程度のアーヘンにある「アーヘン大聖堂」など。

オススメは「ライン渓谷中流上部」で、リューデスハイムからコブレンツにかけてのライン川沿いが世界遺産に登録されており、川下りが名物となっている。観光船でリューデスハイムからコブレンツへ下った場合、所要時間は約4~5時間、コブレンツからケルンが5~6時間。川を上るともう少し時間がかかる。 

ケルンのベストシーズン

ゴシックの意匠

美しいゴシックの意匠。下から大アーケード、トリフォリウム、ステンドグラス部分がクリアストーリー、柱からつながるのが尖頭アーチ、見にくいがその間にリブ・ヴォールトがある ©牧哲雄

ケルンの夏の平均最高気温は24度、冬の平均最低気温は-2度前後。夏も冬も東京よりも数度温度が低い。雨は1年を通じて東京の冬程度しか降らない。

1年中様々なイベントがあるので特にオススメのシーズンはない。たとえば食なら春にはシュパーゲル(ホワイト・アスパラガス)、秋にはキノコ類やワインの新酒が楽しめるし、サッカーを見たいならブンデスリーガのシーズンである8~11月と2~5月前後がいいだろう。

また、ケルンはファスナハト(謝肉祭。カーニバル)で世界的に有名。毎年1~2月前後のどこかで開催される。最大の見所は「バラの月曜日のパレード」。

世界遺産基本データ&リンク

大聖堂の祈り

大聖堂の祈り。観光名所である前に、ケルン大聖堂は神聖な宗教空間なのである ©牧哲雄

【世界遺産基本データ】
登録名称:ケルン大聖堂
Cologne Cathedral
国名:ドイツ連邦共和国
登録年と登録基準:1996年、2008年拡大、文化遺産(i)(ii)(iv)

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