国産ウーロン茶ブーム
奈良から届いた大和ウーロン茶
最近、日本各地の茶産地で、緑茶だけではなく、ウーロン茶や紅茶がたくさん作られるようになりました。紅茶はかなり前から作られてきましたが、最近では、台湾の半発酵茶の作り方が熱心に研究され、以前に比べると格段においしいウーロン茶が作られるようになっています。
また、中国茶、台湾茶好きの方が、身近な茶産地で、研修と称して、自ら日本茶品種で半発酵茶の製茶体験をするような機会が増えてきたのもそのトレンドに影響を与えているのかもしれません。
たとえば、九州奥八女にあたる矢部村では、もう10数年前から、お茶好きの方々を集めて、紅茶やウーロン茶作りを体験できるイベントを行っています。
また、名古屋でもう10年も営業を続けている茶館ロヴーでは、岐阜中津川の茶農家の協力を得て、台湾茶の作り方をベースにした半発行者作りを研修の一環として実施しました。
先日、中国茶ガイドひらたの手元にとどいた奈良の大和茶をベースにしたウーロン茶も、以前中国茶サイトでご紹介した喜喜茶の藤永絵美子が自らの手で作り上げたもの。
あまくまろやかな味わいの大和ウーロン茶
藤永さんは、毎年台湾に東方美人を作りに行くほどの研究熱心な方。大和茶でのウーロン茶作りはもう今年で8年にもなるそうです。
また、今年は京都の童仙房で在来種の茶葉を使って烏龍茶作りを行ったのだそうです。在来種はもともとその自然に育って来たお茶のこと。最近ではすっかりやぶきた中心の煎茶つくりが茶農家の主流になってしまっていますが、在来種はどんどん姿を消してしまったのだそうです。この在来種はその土地で生まれ育ったまさに野生児。メリハリのある、しかしとても味わいのあるウーロン茶ができあがりました。
もちろん、茶農家自らが商業ベースに乗るような工夫をしたウーロン茶も作られるようになりました。以前は非常に珍しかった国産ウーロン茶も、いまではそんなに珍しさをかんじなくまりました。
でも、こうしたお茶作りのベースには、お茶好きの人たちのさまざまな試みが影響しているに違いありません。
こんなふうに、従来緑茶しか作られなかった茶農家で、もっと自由にウーロン茶や紅茶、さらにはプーアル茶などが作られるようになった最近のトレンド、お茶フリークとしてはとてもうれしい限りです。
<関連リンク>
大和茶のウーロン茶を作る。