中国茶/おすすめの緑茶、黄茶、白茶

信陽毛尖(しんようもうせん)

十大銘茶の一つに数えられる「信陽毛尖」。中国を代表するおいしい緑茶なのですが、なかなか日本では飲む機会がありません。今回はそんなお茶の魅力を探って見ました。

執筆者:平田 公一



信陽毛尖(しんようもうせん)

細長い信陽毛尖の茶葉
信陽毛尖は、中国十大銘茶の一つに数えられる有名な緑茶です。このお茶はとてもおいしくて、いろんな方を魅了します。たとえば、『中国茶 香りの万華鏡』の著者、有本香さんもその一人。そのあたりは、有本さんのインタビュー記事を読んでいただくとして、今回は、この信陽毛尖の魅力に迫ってみましょう。

「信陽毛尖」の名前はその産地から取られています。

産地は、河南省南部にある信陽県西南部を中心に車雲山、集雲山、天雲山、達雲山などの山々が重なり合う海抜300~800mの谷間で作られています。

ちなみに「毛尖(もうせん)」とは、白亳(はくごう:白い産毛)の多い芽の形が細くとがっている様からつけられた名称で、「黄山毛峰(こうざんもうほう)」の「毛峰」などと同じ意味合いを持つ名前です。

この地域には、黒龍潭、白龍潭といった渓流も多く、大別山北麓を中心に、古くから良いお茶が作られてきた地域としても知られていますが、四季がはっきりしている地域であり、降水量も多く、お茶の生育にとても適した地だと言われます。

日本茶にも似た茶葉
この地域は記録によると東周(紀元前770年~紀元前256年)にすでにお茶つくりが始まっていたといわれ、唐代の陸羽の『茶経』にも茶の産地として記載されています。

信陽毛尖自体が作られるようになったのはだいぶ新しく清代末だそうで、1915年にはパナマ万博で金奨を受賞してからその名前が有名になりました。1982年には国家優良産品に指定され、1990年には国家商業部優良産品に指定されています。

茶葉は真っ直ぐにのびていて白毫が多く、深緑色をしているのが特徴です。淹れると透き通った明るい色で、香りが高く、まろやかで濃厚な味わいが絶品です。


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