栄養管理/栄養管理の基礎知識・食事バランスガイド

「食事バランスガイド」で食事をチェック(2ページ目)

健康のために食事バランスが大切といいながら、具体的にはわかにくいもの。1日に何をどれだけ食べれば良いのか、バランスガイドを参考にしましょう。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

何をどれだけ食べたらいいの

前のページでご紹介した食生活指針を具体的な行動に結び付けるものとして、望ましい食事の組み合わせや、何をどれだけ食べたらよいのかというおおよその量をわかりやすくイラストで示したものが「食事バランスガイド」(厚生労働省と農林水産省が共同による)です。

基本形は「成人向け」(想定エネルギー量は約2,200±200kcal/1日)に必用なおおよその量を表しています。単位「1つ(SV)」のSVはサービングの略であり、各料理の1回当たりの標準量を示しています。上から多くとりたい順位になっています。
何をどれだけ食べたらよいのかというおおよその量をわかりやすくイラストで示したものが「食事バランスガイド」。詳細はこちらからダウンロードしてください(PDF形式)
何をどれだけ食べたらよいのかというおおよその量をわかりやすくイラストで示したものが「食事バランスガイド」。詳細はこちらからダウンロードしてください(PDF形式)


食事バランスガイドの区分

簡単に各料理区分の基準等を紹介しておきます。
・主食(ごはん、パン、麺)4杯程度
ごはん、パン、麺等に由来する炭水化物は、主食ですから1日に5~7つ(SV)とし、これはごはん(中盛り)(=約1.5つ分)であれば4杯程度に相当です。おうどん1杯は「2つ(SV)分」。
・(副菜)野菜料理5皿程度
野菜やきのこ、いも、海藻などは、野菜サラダやお浸しの小鉢が「1つ(1SV)」、野菜炒めは「2つ(SV)分」が目安で、1日に「5~6つ(SV)」が適量。
・(主菜)肉・魚・卵・大豆料理から3皿程度
肉や魚、卵、大豆などの主菜となるものは、これまで多くとりがちでしたが、3番目になっているのがポイントです。鶏卵を使った目玉焼きが「1つ(1SV)」、焼き魚は「2つ(SV)分」で、ハンバーグは「3つ(SV)分」が目安。1日にとる量は「3~5つ(SV)」が適量です。
・(牛乳・乳製品)牛乳だったら1本程度
牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品は、牛乳コップ半分が「1つ(1SV)」のめやすで、1日にとる量は牛乳びん1本分の「2つ(2SV)」が適量。
・(果物)みかんだったら2個程度
みかん1個、りんご半分が「1つ(1SV)」のめやすで、1日にとる量は「2つ(2SV)」が適量です。

コマを回転しながらバランスをとる

この「食事バランスガイド」の形状は、日本で古くから親しまれている「コマ」をイメージして描かれ、食事のバランスが悪くなると倒れてしまうということを表しているそうです。また、コマが回転することは、運動を連想させるということで、回転(運動)しないと安定しないということも、合わせて表現しています。

水やお茶など、生命維持に必用不可欠な水分は、コマの「軸」に例えられています。またお菓子や嗜好飲料は、とりすぎてはいけませんが、食生活の中での楽しみであり、量的なバランスを考えて適度に摂取する必要があるということで、コマを回すためのヒモとして表現されています。

1日に食べる量を考える目安に

こうしたガイドは、「フードガイド」と呼ばれて、アメリカやカナダ、中国などにもあり、それぞれの食文化や栄養状態と食生活指針などにより異なってきます。1日にとる目安の量を、海外のものは素材で示されているのですが、日本の「食事バランスガイド」は、料理の区分別に示されているので、めんどうな計算をしなくても、だいたい食事量のバランスを把握しやすいように工夫されています。

例えば、ビジネスマンがランチで脂質の多いトンカツ定食を食べたとしますと、夜は肉類などはやめて低脂肪のイカの刺身を主菜にしたり、副菜を多くするなど、1日の中でバランスを考える目安としやすいわけです。

すでにスーパーマーケット、コンビニエンスストア等でも、こうしたガイドをベースにしたお弁当の販売も始まり、単身赴任の男性や中高年女性にも好評を得ているようです。

プラス旬の食べ物を選ぶことも忘れずに

この食事バランズガイドに加えて、私がもう一つプラスしたいことがあります。

それは季節感、食べ物の旬を考えて食材を選ぶことです。日本には四季の変化があり、その季節季節に応じて、私たちのカラダを健やかに保つために必用な栄養を与えてくれる食べ物に恵まれているのです。

例えば、今ゴーヤやトマト、そしてアボカドやマンゴーがカラダによいからと人気があるため、冬でもスーパーに売られています。けれども、これらは夏の、あるいは南国の食べ物ですから、冬の寒い時期に食べればカラダを冷やす作用があります。

カラダを冷やせば風邪を引きやすくなり、健康に役立つとは言えなくなります。最近の日本では、輸入物やハウス栽培のものも多いだけに、季節感や旬が感じられにくくなっています。ぜひ季節の素材を選ぶという視点も「食事バランスガイド」に加えて、毎日の食事作りに役立ててください。

■関連リンク
ビンゴシートで食事バランスをチェック!(食と健康)
米国が目指す健康食は伝統和食!(食と健康)


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