新築マンションの供給は望み薄、
一戸建てなら数千万円以上は必至


三軒茶屋と下北沢を結ぶ茶沢通り
下北沢、三軒茶屋間を結ぶ茶沢通り。歩いても20分程度
住みたい街と思う人の多い街ながら、新築マンションの供給は望み薄。駅周辺は道が細く、商業施設が密集しているため、駅から離れると低層住宅中心の用途地域になっているためと2つの理由から、マンション用地となりそうな土地がないのです。周辺で多少、大きな通りとしては三軒茶屋へ向かう茶沢通り、少し離れて井の頭通りがありますが、いずれの通り沿いでも、今のところ、まとまった用地は期待できません。

北沢川緑道の八重桜
緑道沿いは憧れだが、すでに住宅が建てられており、今後には期待できそうにない
中古マンションは茶沢通り沿いや、そこから少し入った地域に点在していますが、住みやすい場所のせいか、あまり供給がないのが本当のところ。数で言えば、一戸建てのほうが探しやすいようですが、残念ながら、価格は駅から10分前後、土地面積80m2程度の一戸建てでも7000万円以上。土地面積が100m2を超すものであれば、1億円以上にも。やはり、人気と比例して、価格も高い地域なのです。

それでも、この周辺で探したいというのであれば、最寄り駅を下北沢と決め付けず、範囲を広げてみることをお勧めします。具体的には小田急線の世田谷代田、京王井の頭線の新代田など。これらの駅間であれば、歩いて10分ちょっとで隣駅という場所もありますから、それほど遠いという感覚は持たずに済むはずです。

賃貸はシングル、カップル向きが中心、
マンションならワンルームでも8万円~


駅周辺の賃貸物件
駅近くではマンション、離れると古いアパートなども増えてくる
賃貸の供給の中心はシングル向き、カップル向きの間取り。マンションならワンルームで7万円台後半~、1DKで9万円前後~、2DK以上になると、デザイナーズなどが増えるためか、13万円以上になってきます。かつては学生向きの木造アパートなども多く、4万円、5万円という物件もありましたが、今は建替えが進み、アパートでもワンルームで6万円~が相場。数自体が少なくなっているので、お手ごろ賃料で探したい人は、不動産会社を訪れたその足で現地を見に行って決めるくらいの覚悟で望まないと難しいかもしれません。

また、一般に不動産会社は水曜日定休が多いのですが(最近では年中無休も増えてはいます)、下北沢の地元の不動産会社には火曜日定休というところもあるので、ご注意を。

小田急線地下化で街に変化の兆し、
駅前広場や緑の公園などが登場か?

かつての踏切

地下化によって踏切がなくなり、駅前、駅周辺に広い土地が生まれることに。南北の往来もしやすくなる(クリックで拡大)

ごちゃごちゃした街の雰囲気が魅力とは言いながらも、防災上危ないという意見もあり、ここ10年ほど街では開発を巡って行政、地元でいろいろな意見のやりとりがありました。その間に小田急線地下化の工事が進み、2013年3月には地下化が完了。実際には急行、緩行を地下2階、3階に分けるなど今後も地下での工事は続きますが、線路、駅舎は不要になり、この跡地をどう使うかが当面の課題となっています。地元は公共の緑地として生まれ変わることを望んでおり、そのための運動も盛り上がっています。

 

工事中の駅前

取り壊し、整地中の駅前の食品市場。写真左手の一部が残されており、古い建物が好きな人なら取り壊される前にぜひ一度(クリックで拡大)

また、下北沢駅前食品市場のうち、駅に接した部分はすでに取り壊され、残されている場所でも営業を続けている店舗は少なくなりました。ここ2~3年ですべてが無くなる予定で、跡地は駅前広場になるとのこと。街がきれいになるのは良いことですが、それによって駅周辺にまで不要の車が入ってくるようになっても、歩行者中心のこの街の雰囲気が変わりそうで不安。この街らしさを残した開発が行われることを期待したいものです。

*2006年の記事に加筆、修正。

【シリーズバックナンバー】
「ハイソで国際的な下町『広尾』」
「中央線文化漂う住宅街『荻窪』」
「粋と新しい便利さの街『神楽坂』」
「元気、でも静かな街『学芸大学』」
「情報感度高い大人の街『表参道』」
「人に自然に優しい街『自由ヶ丘』」
「季節感と情緒、グルメの街『浅草』」
「自然、雑踏と文化の街『吉祥寺』」
「緑溢れる水辺の都会『二子玉川』」
「セレブで庶民派な街『白金』」
「元気な世田谷の下町『三軒茶屋』」
「意外に住める憧れの超都心『銀座』」
「独自性を貫く学園都市『国立』」
「最先端な庶民派国際タウン『恵比寿』」
「整然とした静かな街並みが魅力の『桜新町』」
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