社会人の大学・大学院/社会人の大学・大学院基本知識

なぜ起こる?アカデミックハラスメント(3ページ目)

早稲田大学は、1999年から2007年までに寄せられたハラスメントに関する情報の一部719件がインターネット上に流出したと発表。あまりの数に驚きです。なぜ大学でハラスメントが起こるのでしょうか?

西島 美保

執筆者:西島 美保

社会人の学びガイド


大学はハラスメントが起こりやすい環境?

image
「教授の言う事は絶対!」と被害者達は声を揃える。例え理不尽な要求でも、服従しないと学位を得られなかったり、研究妨害を受けたり、悪口やいじめなどの人権侵害があるという。
「大学はハラスメントが起こりやすい環境」だと言うのは、よくわかる法律・裁判のガイドで弁護士の酒井将氏です。

「大学において、こうしたアカハラが起こる大きな理由は、教授に多くの権力が集中しているという事情によります」

「教授は、学生に対し、指導したり教育したりする権利を持っており、また助手や助教授に対しても、教授の意向で研究内容が決まったり、人事異動がされたりします。大学の事務職員に対する人事権も握っており、大学内での教授の権力は絶大といえます」と記事「助けて!教授がセクハラをしてきます」で書いています。

私自身、アカデミックハラスメントに悩む方からのメールを多くいただきます。表面化するのは氷山の一角で、泣き寝入りして耐える、あるいは退学に追い込まれていく学生が多いのが現状のようです。その一方、大学の教員が一部の学生からアカハラ、あるいはパワハラと一方的に冤罪を着せられる事例もあり、大変複雑かつ根深い問題です。

アカデミックハラスメントは、結果として得られるはずだった研究成果等が失われ、被害者及びその家族の人生に多大な負の影響を及ぼし、大学や社会にとっても大変大きな損失です。しかしながら大学によって取り組みに差があり、対応は万全ではありません。

【社会人の大学・大学院】では、アカデミックハラスメントについて、今後も継続的に問題として取り上げていきたいと思います。

■困った時は?
NPOアカデミックハラスメントをなくすネットワーク

■ハラスメント体験談を読む
・アカデミックハラスメント体験談1(読者からの投稿)
・アカデミックハラスメント体験談2(読者からの投稿)


【関連記事】
・大学院の実態~教員の学生に対する倫理の崩壊~ 大学教授・助教授による嫌がらせ
指導教授と学生の人間関係が決め手 大学院の実態
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます