マーケティング/マーケティング事例

首位が2社の異常事態!仁義なきビール戦争(3ページ目)

ビール市場全体が縮小傾向の中、第3のビール市場は急成長を持続。この急成長市場で主導権を握ろうとキリンとアサヒの両雄は激しい戦いを繰り広げる。そして、遂に第3のビール市場で首位が2社という異常事態に!

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

3.第3のビール市場で起こった異常事態とは?

第3のビール
第3のビール市場では首位が2社という異常事態が起こっている!
第3のビール市場は時代の世相を反映して今やビール類市場で最も成長率の高い市場となっている。2009年2月の統計では、ビールが出荷量を落とす中、売上を堅調に伸ばし、初めて市場全体のシェアが30%を超えた。今後もビール類市場の中で堅調な伸びが予想される。

この第3のビール市場で圧倒的な強さを誇るのがキリン。キリンは『のどごし<生>』で昨年は41.7%という相対的安定シェアを実現した。ビールでトップに立つアサヒの第3のビールのシェアは20.9%とトップのキリンに続くどころか、サントリーの後塵を拝して3位に甘んじている。

ところが、スーパーなどのビール売り場では第3のビールの販売に関して奇妙な光景に出くわす。

2社のビールが“新ジャンルNo.1”を謳って第3のビールを販売しているのだ。キリンは“新ジャンル4年連続No.1”で『のどごし<生>』を、そしてアサヒは“麦の新ジャンルNo.1”で『クリアアサヒ』を販売。第3のビールでトップブランドが2つ存在するという異常事態となっている。

なぜ、このように第3のビールで2つのブランドが売上No.1という矛盾したプロモーションが展開されているのだろうか?

<次ページ>4.第3のビールで首位が2社のカラクリ
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