化粧品とフィルムの意外な関係
FUJI FILMのコラーゲンと活性酸素の研究が活かされた化粧品アスタリフト。画像提供:Amazon.co.jp |
FUJI FILMヘルスケアラボのサイトによれば、実は一見、何ら関係ないようにフィルムと化粧品ですが、2つのキーワードで深く結び付くことになっています。
1つめのキーワードは“コラーゲン”。コラーゲンと言えば、今では肌の張りと潤いを保つ成分として化粧品の中でも注目される成分。なんとフィルムの半分はこのコラーゲンでできているのです。フィルムの研究はコラーゲンの研究と言っても過言ではなく、FUJI FILMは70年にわたってコラーゲンを探求してきた言わば“コラーゲン活用のプロフェッショナル”ということになります。加えて、フィルムは人の肌と同じ20ミクロンの多層構造をしているという共通点もあります。
コラーゲンが主成分ということも合わせてフィルムと人の肌には意外にも共通点が多く、これまでにFUJI FILMが培ってきたコラーゲンに関する技術を転用して、人の肌に張りと潤いを与える化粧品を開発することはお門違いではないということなのです。
2つめのキーワードは“活性酸素”。活性酸素は体内に存在する酸素が化学変化を起こしてできる化合物ですが、人の健康に悪影響を与え、老化の原因ともされている物質です。若々しさを保つには、いかにこの活性酸素の発生を抑えるかということが重要になってくるのです。、実はフィルムの劣化もこの活性酸素が原因で引き起こされるために、FUJI FILMは長年にわたって、この活性酸素を無くしていく技術を研究してきました。そして、この活性酸素をなくす技術を化粧品に応用することがアスタリフトの誕生に繋がっていくのです。
この“コラーゲン”と“活性酸素”という分野において、長年の研究により蓄積してきた技術はFUJI FILMの最大の強みとも言えます。この2つは、現代の美容業界で最も注目されるキーワードであり、フィルムと肌の共通性を勘案すれば、FUJI FILMが『コラーゲンと活性酸素の研究実績』というコアコンピタンス(最強の武器)をフル活用して化粧品事業というドメイン(戦う場所)を加えたことはマーケティング戦略の理に適っているとも言えます。
実際にFUJI FILMのアスタリフトは「化粧水の浸透力が全然違う」など、利用者の評判はすこぶる高く、フィルムメーカーとして培った長年の技術が、化粧品という一見畑違いに思える事業で如何なく発揮されています。
FUJI FILMにとって、化粧品事業は多角化の一環ですが、果たして参入戦略は正しかったのでしょうか?次のページでは、ブランド戦略の観点から見ていくことにしましょう。次ページへお進み下さい!