営業でお客さんの警戒心を解くのは意外と簡単
営業でお客さんの警戒心を解く
つまり客とはそういうものなのです。だから心理的バリアを張っている、つまり警戒心を抱かれたからといって、ショックを受けることはありません。「客とはそういうものだ」と理解しておけば、相手がどんな態度に出たとしてもこちらは平静を保つことができます。そうです。まず大切なのは、お客さんの心理を理解しておくことです。
警戒心を必要以上に気にしない
次に必要なのは、お客さんが心理バリアを張っていることを、必要以上に気にしないことです。たとえばお客さんに対して、「すいません。お忙しいところお時間を取らせてしまって、本当に申し訳ありません」などと、ペコペコと謝ってばかりの営業マンが時々います。お客さんのなかにはこういう営業マンに対して、かえって不快な気分を抱いてしまう人が少なくありません。「だったら営業に来るなよ」と思ってしまうのです。
お客さんは営業マンに対して警戒心を張っていますが、会って話を聞くということは、それなりに商品には関心を抱いているわけです。商品に関心がなければ、会おうとさえしませんから。
「お客さんは心理的なバリアを張っている」ということよりも、「商品に関心を抱いている」という事実に意識をフォーカスさせて、より充実した商談ができるようにベストを尽くせばいいのです。ペコペコと謝るよりも、商品の魅力を適切に伝えた方が、相手の警戒心を解くことにつながります。
ただし誤解がないように。「お客さんの警戒心を必要以上に気にするな」というのは、「お客さんの反応を気にするな」ということではありません。
たとえばお客さんが明らかにイライラしているのに、商品説明を延々と続ける営業マンがいたりします。これではお客さんの営業マンへの不信感はさらに募ります。相手が何に関心をもち、どんな話を聞きたがっているか、また話をしたがっているかについては、敏感である必要があります。
警戒心のポイントを見極める
警戒心のポイントを見極める
あるお客さんは、「この営業マンは、うまいこと自分を丸め込んで商品を買わせようとしているんじゃないか」という理由で警戒心を抱くでしょう。またあるお客さんは「全然知らない会社の営業マンだけど、この会社は大丈夫なのかなあ」という理由かもしれません。
大切なのは、お客さんの警戒心の最大ポイントがどこにあるかを見極め、そこを突くことです。もしお客さんが「うまいこと自分を丸め込んで、商品を買わせようとしているんじゃないか」と思っているようだったら、「初対面ですので、私どものことを100%ご信頼いただくところまでは至っていないかもしれませんが……」というように、「あなたの気持ちは、私もよくわかっていますよ」というメッセージを伝えることが有効です。
あえてこちらから商品の弱点を説明するというテクニックもあります。商品の長所ばかりでなく短所も示すことで、「この営業マンは正直な人だな」という印象をお客さんに与え、警戒心を解くわけです。
ただし商品の弱点を説明する際には、お客さんにとって直接的なデメリットを感じないものを選びます。そのうえでお客さんが大いにメリットを感じる商品の長所を説明するわけです。
お客さんが「無名の会社だけど、大丈夫なのか」という不安感を覚えているようだったら、トークの中に会社の取引実績や業界内のシェアなどのデータを意識的に盛り込むことで、「うちの会社は信頼できますよ」ということをさりげなくアピールすればいいでしょう。
お客さんが警戒心を抱いていることは、必要以上に気にすることはありません。けれども相手がどこに心理的バリアを感じているか、観察だけはしっかりおこなって、適切な行動をとることが大事。これがお客さんの心のバリアを突き崩すカギとなるのです。
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