新奇性追求気質とその傾向
新しい製品が出る度にワクワクしたり、近所でお店がオープンすると必ず覗きたくなったり……新しいモノには目がない人はたくさんいますが、中には「今度の休暇はアマゾンのジャングルを探検しよう」など、新しさやスリルを求める気持ちが非常に強い人もいるかもしれません。
危険に対する怖がり具合、辛抱強さ、損得への敏感さなど、色々な気質で人の性格は形作られていますが、新しいモノや冒険を求める気質は新奇性追求(原語:novelty seeking)と呼ばれているものです。もちろん、新奇性追求が強いというだけでは、心の病気とは関係ありませんが、新奇性追求がスリルのある異性との出会いやギャンブル、法律で禁止されている薬物といった方向へ向かってしまうと、依存症などの心の病気も関連してきます。
今回は、新奇性追求の強い人、つまり、新しいモノ、冒険やスリルを過剰に求める気持ちの強い人について詳しく述べてみます。
新奇性追求の強い人の共通点・傾向
新奇性追求の強い人には以下のような性質が見られがちでしょう。- 衝動的
- 怒りっぽい
- 見栄っ張り
- 浮気性
- 飽きっぽい
新奇性追求の遺伝的側面
まず、同じ遺伝子を持った双子は別々の環境で育っても新奇性追求の気質が似ている事が多い事から、新奇性追求には遺伝的な側面がある事が明らかになってきています。1996年のNature Geneticsという学術誌に、「脳内のドーパミン受容体に関連する遺伝子がDNAの中で繰り返されている回数は人それぞれ異なり、その遺伝子が7回繰り返されている人は新奇性追求が強い人が多い」と報告されてから、快楽や報酬に関連する脳内の神経伝達物質であるドーパミンが新奇性追求の強さに関係する事も分かっています。新奇性追求の強さは遺伝子の影響が大きいという事は、新奇性追求の強い大人は、やはり、子供の頃からそうだったはずです。80歳を超えてもスカイダイビングをされる方は、まさに、三つ子の魂、百までという事なのでしょうが、皆さんが子供の頃はどうでしたか? 新しいモノ、冒険好きの方は子供の頃、親がどんなにこっそり何かを隠してもすぐに見つけてしまう子供だったかもしれません。
このように新奇性追求には遺伝的側面も少なからずありますが、「自分の浮気性や飽きっぽさはドーパミンの遺伝子が7回繰り返されているからだ」などと遺伝子のせいにしたい機会があったとしても、自分のした事がもたらした結果には直面していきましょうね。
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