虚偽性障害とは?
病気はつらいですが、周りの人はやさしくなります
もしも、さびしさを感じたら、どんなことをしたくなりますか? ちょっと人ごみに出てカフェでコーヒーを飲んだり、ペットと遊んだりするのも、なかなかよいですよね。

そんな寂しい時、例えば職場の同僚が、怪我でギブスをはめて来たとします。周りの人が気を遣い、やさしくされている同僚を見て、「私も病気になったら、みんなからやさしくしてもらえるかな……」とふと思ってしまうことは、誰にでもあることで、異常なことではありません。

しかしもしも、人からやさしく扱ってもらいたいがために、病気のフリをせずにはいられなくなったら……。それは心の病気かもしれません。今回は、心の病気に近い「仮病」について、お話したいと思います。


病気のフリをしてでも優しくされたい! 虚偽性障害の特徴

人に構ってもらいたくて、病気の症状をちょっとだけ大げさに言ってしまうのは、まだ正常の範囲とい得るでしょう。

病的なケースの例を挙げましょう。息子夫婦と暮らす、糖尿病の持病を持つ女性についてです。彼女は「息子は嫁のことばかり構っていて、私をないがしろにしている」と被害妄想的になっています。毎朝、尿糖を試験紙で調べた後、必ず息子に「色が変わっている。尿糖が出てしまっている」と言います。息子が見ると、色はそれほど変わっているように見えません。しかし母親にそう伝えても、母親は決してそれを認めようとしません。また、ある時はインスリンの摂り過ぎで低血糖発作が起き、救急車で運ばれてしまいました。それ以後、しばしば同じことが起きるようになり、息子の嫁は、義母が故意にしているのではないかと疑いを持ち始めます。

このようなケースで、もしも母親が息子からやさしく扱ってもらいたいがために、故意にインスリンを過剰摂取して低血糖発作を起こしていたとしたら、彼女は心の病気に近い状態です。人からやさしく、大切に扱ってもらいたいがために、仮病をせずにはいられなくなる状態を、精神医学的には「虚偽性障害」と言います。

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