根菜・茎菜類
■ かぶ
温性でカラダを温め、五臓を強化したり、消化不良によいとされる。冷えてお腹が痛いときや、胃もたれ、膨満感に。ちなみにカブラやスズナ(春の七草のひとつ)など、別名も多い。
■ ごぼう
食物繊維が豊富なことから便秘解消で有名なごぼう。薬膳では熱を冷まし、のどの脹れや痛みに作用する。ごぼうの種は生薬で、牛蒡子(ごぼうし)。解熱・解毒作用がある。
■ じゃがいも
甘味で穏やかな平性。元気をつけ、胃腸の働きを高めるので、胃腸が弱い人にオススメ。すりおろしたり、千切りにして炒めたり、煮込んだりと意外と調理法も多い。
■ しょうが
内臓を温め、発汗作用がある。冷えによる嘔吐やせきにもいい。殺菌力が強いので、湿気の多い時期にもオススメ。しょうがの絞り汁は嘔吐止めの妙薬。
■ だいこん
涼性で、カラダの熱を冷まし、痰をとる働きがある。だいこんの種は「莱服子」(らいふくし)という消化薬だが、野菜のだいこんも似たような作用を持つ。気のめぐりをスムーズにし、胸のつかえにもいい。
■ 長いも
胃腸の調子をよくし、滋養強壮に役立つ。のどに潤いを与え、慢性のせきにもよく、おりものや頻尿にも使用できる。生薬名を「山薬」(さんやく)といい、昔から不老長寿にいいとされてきた。
■ にんじん
胃腸の働きを強め、消化促進作用がある。とくに子どもの消化不良によい。目の疲れやドライアイにもおすすめ。ちなみに薬用にんじんの朝鮮人参とはまったく別の品種。
■ ゆり根
肺の機能をサポートし、せきを鎮めたり、痰にも有効とされる。熱を下げる働きがあり、のどの乾燥にもいい。精神安定にもよく、睡眠障害にも。
■ れんこん
寒性で、熱を冷まして炎症を抑えたり、のどの渇きを癒す。加熱すると胃腸の機能を整える作用や下痢止め効果がアップ。れんこんの実や葉、節はどれも生薬で、余すところがない食材。
次回はナスやきゅうりなどの果菜類、肉・魚介類などの薬膳的効能をご紹介します。どうぞお楽しみに!