なんでも適度に楽しもう…。
日々の食習慣は、長期的に健康に大きな影響を与えます。食事は楽しみの一つですから、常に厳しく栄養管理をする必要はありません。しかし、長年にわたりバランスの悪い食事を続けると、治せない病気や症状につながることがあります。今回は、食生活と関係が強く、一度掛かると治らなかったり、治療が容易ではない病気についてお話します。
注) 遺伝やその他の要因で食生活とは関係なくこれらの症状が出ることもあります。
密度の低い骨 → 骨粗しょう症、骨折、寝たきりなどに
骨密度の低い骨は、骨粗しょう症につながります。男性も骨粗しょう症になりますので女性だけの病気ではありません。骨密度の低い骨は、カルシウム不足、ビタミンD不足、骨への負荷不足などが原因です。骨密度を強化できるのは、遅くても30歳くらいまでだと言われていますので、若いときから骨密度の強化に取り組むのがとても大切です。骨密度は加齢に伴い減少していきますが、30歳を過ぎでも食事や運動に注意すれば、骨密度の低下を遅らせることができます。予防のポイントはカルシウム、ビタミンD、運動(ジョギングやウォーキングなど骨へ負荷のあるもの)です。
日本人の食事摂取基準(2005年版)によると、ビタミンDの食事摂取基準は目安量として1日5μg(200IU)、カルシウムは成人では600~700mgを目安量としています。しかし、骨粗しょう症の予防には、1日当たりカルシウムが1000~1500mg、ビタミンDが400~800IU位必要だとも考えられています。特に、家族に骨粗しょう症の人がいる場合、運動不足の人、色が白い人、やせ気味の人、喫煙をする人、アルコールを過剰摂取する人などは骨粗しょう症のリスクが高くなるので、多目のカルシウム・ビタミンDの摂取が必要かもしれません。カルシウム200mgの目安は、牛乳一杯(200ml)、チーズ一枚(30g)、木綿豆腐2/3丁、青梗菜(150g)です。ビタミンDは主に魚などに含まれますが、多くは紫外線によって皮膚で生成されますので、日傘や日焼け止めを多様している人は不足する可能性があります。足りていない場合は、専門家にサプリメントについて相談するとよいかもしれません。