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民間療法で病気が「治る」、本当の理由(3ページ目)

民間療法・健康法・健康食品の効果にはプラシーボ(偽薬)効果だけでなく、周囲からの注目がもたらすホ-ソン効果が関係しています。試して、症状が悪化したと感じた場合は直ちに中止して受診する事をお薦めします。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

プラシーボ効果×ホーソン効果は効果絶大?

具体的に考えてみましょう。知人に薦められて、ある健康食品を試し始めたという状況をイメージしてください。その人の説明では、効果が出るにはしばらく時間がかかるとのこと。効果を出るのを楽しみにして、周囲の人に「新しい健康法を試している」と言いたくなるかもしれませんね。薦めてきた知人からは、会うたびに体の調子を質問されます。その後、周囲の人からも体調について聞かれることが増え始めました。「そういえば、何だか最近体調がいい感じが……。」

これが、プラシーボ効果×ホーソン効果の典型的な例です。知人に効果を説明されたことで、プラシーボ効果が生まれます。知人や周囲からの関心や質問は、ホーソン効果を生み出します。

プラシーボ効果とホーソン効果は相乗的に働くので、結果的に有効性は30~40%になるとも言われています。命に関わらない病気で、ある程度は自然治癒が望めるものの場合は、さらにその効果は高くなります。治癒は困難ですが、花粉の飛散量により自覚症状が変化する花粉症などが、良い例ですね。

また、慢性的で寛解と悪化を繰り返すアトピーなどの病気では、寛解期には、非常に高い有効性を示すようです。アトピー系の病気で色々な健康食品が出回るのはこのためかもしれませんね。


最後に一つ注意。どんなに気持ちの作用が期待できるといっても、医学的な根拠がないものだということはお忘れなく! 科学的根拠のない民間療法や健康法・健康食品を試して、症状が悪化したと感じた場合は、ただちに中止して病院をちゃんと受診する事をお薦めします。


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