もうすぐ忘年会の季節です。酒は百薬の長ではありませんが、男性の場合一部の癌と飲酒の関係が明らかになっています。タバコを吸わない男性(非喫煙男性)において適量飲酒は癌を減らす可能性があります。

今回は、中年以降の死亡原因の40%を占める癌と飲酒、喫煙との関係に迫ります。また、大腸癌予防のための酒の肴(さかな)についても触れてまいります。


飲酒関連癌って何?

「飲酒関連癌」はお酒が通過する部位と肝臓にできる癌の総称。たばこを吸う人は特に気をつけて!
「飲酒関連癌」はお酒が通過する部位と肝臓にできる癌。たばこを吸う人は特に気をつけて!
飲んだお酒が最初に通過する部位とその部位に接しているのは、解剖学的には口腔・咽頭(のど)・食道・喉頭(声帯がある部位)です。胃や小腸で吸収したアルコールを分解するのは肝臓です。この通過する部位関連と肝臓にできる癌は飲酒が原因で出来やすくなると言われています。そのために、まとめて「飲酒関連癌」と呼びます。

飲酒の程度を日本酒またはアルコール量で6段階に分けます。

  1. 飲まない
  2. 週1回未満(2週に1回程度)
  3. 週1回以上(2日で1合、150g未満/週)
  4. 1日1合(150g以上-300g未満/週)
  5. 1日2合(300g以上-450g未満/週)
  6. 1日4合(450g以上/週)
※日本酒1合はビール中瓶(500ml)相当

男性では週1回以上(2日で1合、150g未満/週)の飲酒で飲酒関連癌について危険性が増す事が確認されています。



飲酒と飲酒関連癌以外の癌

タバコをすわない人(非喫煙者)の場合、飲酒は飲酒関連癌以外の癌を増加させません。

一方、喫煙者は週1回以上(2日で1合、150g未満/週)の飲酒でも飲酒関連癌以外の癌を増加させてしまいます。その上、喫煙者では飲酒量が増すとさらに危険性が増加してしまいます。

このように、飲酒関連癌以外の癌は喫煙の有無で結果が分かれてしまいます。


飲酒と胃癌の関係

飲んだお酒は口から食道を通り胃で一部吸収されます。当然で胃の病気に影響を与えるはずです。日本人に多い胃癌ですが飲酒との明らかな関係は認められていません。


飲酒と大腸癌の関係

飲酒関連癌とは別に、飲酒と関係する可能性があるのが大腸癌です。ただし、なぜ関連があるのかは明確な説明はできません。男性では日本酒で1日1合(150g以上-300g未満/週)飲むと大腸癌の危険性が増す事が確認されています。飲酒量が増えて1日2合以上(300g以上/週)になるとさらに危険度が増します。


非喫煙では酒は百薬の長?
適量飲酒は癌予防効果?!

写真のタイトル
適量飲酒に癌の予防効果の可能性。しかし、飲酒と喫煙のセットで癌の危険性があがってしまいます。癌予防にはまず禁煙を。
男性に関する飲酒と癌死亡の関係は、まとめると結局どうなっているのでしょうか?

男性では飲まない人よりも週1回以上(2日で1合、150g未満/週)の飲酒で飲酒関連癌や大腸癌を含めて、癌で死ぬ危険率が一番下がる結果となっています。いわゆる適量飲酒は癌予防効果がある可能性があります。

その上、非喫煙者に限ると週1回以上(2日で1合、150g未満/週)の飲酒で危険性が一番下がり、それ以上飲酒しても危険性は上がりますが1日4合以上飲んでも非飲酒者とは危険性は変わりません。


飲酒するなら禁煙を

癌は中年以降の死亡原因の40%を占めています。喫煙者では週1回未満(2週に1回程度)の飲酒で危険率が一番低くなり、それ以上では飲酒量が増すにつれて癌死亡の危険性がさらに高くなります。実際的には癌予防のためには喫煙者は飲むなという事です。癌予防にはまず禁煙が先という結論です。


酒の肴には葉酸を!

大腸癌予防に飲みの席ではレバー、枝豆、空豆で葉酸を摂取
大腸癌予防に飲みの席ではレバー、枝豆、空豆で葉酸を摂取
飲酒に癌の予防効果があるかどうかは科学的にはまだ証明されていません。ですから、飲まない人は無理に飲酒する必要はありません。
飲酒と関係ある大腸癌については葉酸の摂取で飲酒の影響を減らす事ができる事が欧米では確認されています。つまり葉酸の多いもの酒の肴にすれば大腸癌の危険性を増加させないことになります。

身近な素材で葉酸が多いのがレバーです。また枝豆、空豆も葉酸を比較的に多く含んでいます。いわゆる赤堤灯の焼き鳥屋で枝豆やレバーを食べて一杯というのは正しい飲み方だった事になりますね。

<参考>厚生労働省研究班による多目的コホート研究

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