
「また腰が痛む……」年齢を重ねるにつれて切実になる腰の悩み。世の中に数ある腰痛体操の中でも、「たった1日で!?」と驚くに違いない拍子抜けするほどシンプルな方法とは?
『東大名誉教授が教える 死なない生き方』では、iPS細胞の誕生にも貢献した北村俊雄氏が、最新研究をもとに「健康寿命100歳」を手に入れるための運動、睡眠、食事などのポイントを具体的に解説。
本書から一部を抜粋し、腰痛対策「これだけ体操」の実践方法や、腰まわりの筋肉を鍛える運動を紹介する。
腰痛が「1日で回復」した驚くほど簡単な体操
膝の痛みと同様、多くの人の悩みは腰痛だ。私は腰痛を経験したことがあまりなかったが、最近はずっとソファーに座っていた後や、長い距離を車でドライブした後に立ち上がる時、腰に違和感があり、スッと伸ばせない感じになっていた。
私は車好きで、今でも車高が低いスポーツカー、しかもマニュアル車を運転しているのでなおさらだ。その私が、中学・高校・大学の後輩で東大病院整形外科教授の田中栄先生に教えてもらった体操をして、1日で腰が回復したのには驚いた。田中先生は現在、私の主治医である。
ネットで調べるとさまざまな腰痛体操が紹介されている。いろいろな体操があるうえに結構複雑なものもあり、どれがいいか迷ってしまうだろう。私が田中先生に教わったのは「これだけ体操」というとても簡単な運動だ。
「松平浩のこれだけ体操」で検索すると、YouTubeで実際の体操の仕方が紹介されている。現在は退職されているが、東大病院の22世紀医療センター特任教授だった松平浩医師らが作成した動画である。基本的にはまっすぐ立って、手で腰を前に押し出すようにするだけの体操を1日に数回するだけだ。
この体操では椎間が伸びることが大事だという。この体操が痛くてできない場合は、無理せず整形外科医に相談することを勧める。すでに椎間板ヘルニアなどで腰の状態が悪くなり、体操だけで腰痛を治すことが難しい場合もある。


腰痛対策に大切な「筋肉の鍛え方」
身体には多くの筋肉があり、腰痛に関与している筋肉もいろいろだ。筋肉によってそれぞれ鍛え方が違うのでそれぞれの筋肉の鍛え方を図示しておく。




この図に出てくるセラバンドと呼ばれるゴム製のバンドは、筋力に合わせて負荷をかけられるように、異なる強度のものが販売されている。筋力を鍛えるために自分に合ったものを使うのがよい。100円ショップなどでも売られているので入手は簡単だ。
スクワットは腸腰筋の強化にも有効なので、尿漏れや一部の腰痛にも効果が期待できる。私の友人の医師は、前立腺癌の手術の後の尿漏れが、鍼とスクワットで劇的に改善したという。

著者:北村 俊雄(東京大学名誉教授)
1956年に大阪府で生まれ、兵庫県で育つ。東京大学医学部卒業後、内科研修を経て医学部第3内科に入局。国立がんセンター研究所ウイルス部に出向して白血病ウイルスの実験に従事。その後、第3内科に戻り血液内科の臨床と研究を行う。32歳で米カリフォルニア州DNAX分子生物学研究所に博士研究員として留学。37歳で自らの研究室を持つ。40歳で帰国し、東京大学医科学研究所で日本初の寄付講座を担当。1991年、同研究所先端医療研究センター教授。同センター長を経て、2022年から神戸医療産業都市推進機構先端医療研究センター長。東京大学名誉教授。






