アトピー性皮膚炎/アトピー性皮膚炎の症状・原因・検査法

キレイ好きはNG?衛生環境でアトピー増加(2ページ目)

アトピーが増えた原因の1つに「衛生仮説」があります。衛生状況の良くなったことで、アレルギーが増加したという説です。最近、自然や地球環境について言われることが多いので、アトピーとの関連を説明します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド


動物との共存はアトピーを減らす?

ネコは日本とノルウェーで結果が異なる?!
衛生的な環境はアトピーを増やすということは、ペットはアトピーにどんな影響を与えるのでしょうか? 実ははっきりとした答えは出ていません。しかし、様々な研究がなされています。

出生時にイヌを飼育していた家庭では子供の喘息出現率が低いという報告があります。(Remes STらの報告 2001)。子供の頃にペットを飼っている子供は、アレルギーの病気になりにくい。特にネコではなりにくいという報告(Nafstad Pらの報告 2001)もあります。

つまり、ペットが、アレルギーの発症を抑えている、という研究結果も数々あるのです。もちろん、国によって、社会環境・自然環境が異なりますので、一概に日本で当てはまるとも言えませんが、参考にはなりますね。実は、一方、日本では、ネコでアレルギーが増えるという報告がありました(第18回日本アレルギー学会(2005年))。


ペットアレルギー

ペットがアレルギーを起こすことがあります。イヌが近づくだけで、鼻が出て、くしゃみが出て、目がかゆいと言った症状です。その場合、血液検査でイヌ上皮・皮屑の対するIgEの値が高くなります。これが「ペットアレルギー」です。ペットアレルギーの人にとっては、当然ペットはよくありません

自分の体質をよく知った上で、ペットと上手に暮らしていくことが一番いいですね。


豆知識
新興国:いわゆる先進国を除く諸国で、発展途上国、中所得国などと認識されている国。新興国の中で、成長の著しいブラジル(B)、ロシア(R)、インド(I)、中国(C)の合わせて、BRICsと呼んでいる。



<アトピーのウソ?ホント?シリーズ>
【第1回】怪しい民間療法の見分け方
【第2回】漢方薬でアトピーは治るの?
【第3回】水でアトピーが治るの?
【第4回】アトピーでも海や川に行けるの?
【第5回】アトピーでも山に行けるの?
【第6回】アトピーでも運動会も大丈夫!
【第7回】アトピーでもペットは飼えるの?
【第8回】カニ・エビアレルギー
【第9回】アトピーでもスキーは大丈夫?
【第10回】黄砂が飛ぶと、アレルギーが悪化!?
【第11回】予防接種の注意点 特にアトピーでは
【第12回】花火を快適に楽しもう!
【第13回】乾燥・温度差に注意! 飛行機内の過ごし方
【第14回】キレイ好きはNG?衛生環境でアトピー増加

<参考リンク先>

アトピーでもペットは飼えるの?(All About アトピー)

アレルギーがあるからとペットを敬遠しないで! ペットとアレルギー(All About 小さなペット)

ペットを飼えば、アレルギーの予防に。特にネコがよい ?
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