アトピー性皮膚炎/イベント・行事参加の注意

アトピーでも山に行けるの?

夏になると、海だけでなく、山に行く機会も多くなりますね。そこでアトピーが悪化させないためにも、山へ行くときの注意点をご説明します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

【第1回】怪しい民間療法の見分け方
【第2回】漢方薬でアトピーは治るの?
【第3回】水でアトピーが治るの?
【第4回】アトピーでも海や川に行けるの?
【第5回】アトピーでも山に行けるの?

アトピーでも海や川に行けるの?でも解説しましたが、患者さんの中には「アトピーでも山に行っても大丈夫ですか?」と聞いてくる方がいらっしゃいます。そこで今回は前回に引き続き、「アトピーでも山に行けるの?」をご説明します。


山に行く効果と注意点

森林浴には効果はあるのでしょうか?
森林浴のアトピーに対する効果は
  • 樹木が発散する揮発性の芳香物質などの効果(フィトンチッドなど)
  • 空気清浄効果などがあるとされるマイナス電気を帯びた微粒子(マイナスイオン)の効果
  • 小川のせせらぎ、鳥のさえずりなどの自然音によるストレス緩和
  • 木々の緑による視覚効果によるストレス緩和

が考えられます。以上のこと以外は、何とも言えませんが、森林浴に何らかの効果があるということは確かなようです。

山の中ではいろいろと注意点が多い!
一方で、いいことばかりでなく、注意して対策を立てなければならないものもあります。
  • 虫刺されに対する対策
    →防虫スプレーなどを使用し、極力肌から虫を遠ざけるようにしましょう。刺されてかゆみが増すと、掻いてしまうので注意したい点です。詳細はアトピーでも海や川に行けるの?をご参照ください。


  • 運動による汗に対する対策
    →こまめに汗を拭いて、雑菌が繁殖しないようにしましょう。雑菌が繁殖し、かゆくなって皮膚を掻くことは避ける。大切な点です。詳細はスキンケアをご参照ください。


  • 日焼け対策
    →市販の日焼け止めクリームなどを使い、紫外線をカットしましょう。詳細はスキンケアをご参照ください。


  • 花粉や樹木による接触性皮膚炎
    →よくわからない植物には絶対に触れない!ついつい気分が高揚して植物に触れたくなる気持ちはわかりますが、触るだけで皮膚がかぶれる可能性がある植物が山には多く存在するので、細心の注意が必要です。
以上のように、きちんと対策をすれば海も川も山も心配することはありません。とは言え、「山の対策法」などという怪しいアトピービジネスには注意しましょう。詳細は怪しい民間療法の見分け方をご覧ください。


豆知識
マイナスイオン:電子を帯びた微粒子のこと。電子はマイナスで、電気を帯びている粒子をイオンと呼ぶ。合わせて、マイナスイオンと呼ぶ。マイナスイオンは自然に多く存在し、特に「滝」に多く存在する。体に有害な活性酸素を抑制すると言われている。

フィトンチッド:森林の植物や樹木が産生し発散する揮発性物質。抗菌、防虫、消臭効果があると言われている。フィトン(植物が)チッド(殺す)というのが名前の由来で、元々植物が細菌や虫から身を守る手段の一つとして発見された。


<参考リンク先>

森林浴のすすめ

アトピーとマイナスイオン

マイナスイオンとは?

森林の不思議 『フィトンチッド』とは? 
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