メンタルヘルス/躁鬱病

治療は長期戦に…躁うつ病(双極性障害)の治療(2ページ目)

躁うつ病(双極性障害)の治療は長期戦です。治療のメインは薬物療法で、急性期治療>継続期治療>予防的維持と展開していきます。

中嶋 泰憲

執筆者:中嶋 泰憲

医師 / メンタルヘルスガイド

Q&A

・治療を受けないとどうなるの?
治療を受けなくても、躁うつ病の躁とうつはある期間を過ぎると、人により半年、1週間、1日とまちまちですが、自然に収まります。しかし、この躁うつのエピソードの間は正常な日常生活を送ることが難しくなります。また、次第に、エピソードの間隔が短くなり、躁うつの症状も重くなりがちです。

・どうして薬を飲み続けなくてはならないの?

躁うつ病は再発しやすいので、これを防ぐために、躁うつの症状が良くなっても、薬の服用を続ける必要があります。「もう治ったので薬を飲む必要はない」などと自己判断するのは、躁うつの再発を招きやすく大変危険です。再発を繰り返せば、繰り返すほど、長期間にわたって薬を飲まなくてはなりません。服薬スケジュールを守ることは大切です。

・治療中にお酒を飲んでいいの?

飲酒は原則として控えるべきです。なぜなら、アルコールと薬は相互作用があり、薬の効き目が弱くなったり、薬の副作用が出やすくなるためです。

・治療を受ける必要があるのに受けない人は多い?
残念ながら、治療を求められない方は少なくありません。まず、ご本人が自分は病気であるという認識がないことが多いのです。特に、躁の時には、気分が良いので、わざわざ病院へ行くような気持ちが起きないかもしれません。また、もしも、死んでしまいたいと思うほど、落ち込んでしまった時は、治療を受けて治そうという気持ちがなくなってしまい、病院へ行かない、間接的自殺のようなことも考えられます。

・家族としてできることは?
躁やうつの兆候を見逃さないことが大事です。普段より口数が多くなり、怒りっぽくなったりイライラしやすくなった時は躁のサインです。また、自殺をほのめかしたりするようになった時はうつの緊急事態です。とにかく、何か兆候がありましたら、すぐに精神科(神経科)に行けるように手助けしましょう。

治療を受ければ、多くの場合、支障なく日常生活を送れるまで、躁うつの頻度や症状を軽減できます。しかし、治療は長期にわたります。ご本人のみならず、周囲の方も病気の性質をよく理解しておくことが、とても大切だと思います。


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