/抗うつ剤・抗不安薬・向精神薬・精神安定剤

うつ病の薬、その効果と副作用

うつ病の治療に抗うつ薬は欠かせません。抗うつ薬に関する、よくある質問、気になる質問をQ&Aの形でまとめてみました。

中嶋 泰憲

執筆者:中嶋 泰憲

医師 / メンタルヘルスガイド

薬の基礎知識があると安心です
薬の基礎知識があると安心です
病院へ行って、うつ病と診断されたら、抗うつ薬が処方されると思います。お薬を飲むとうつが良くなりますと言われても、薬を飲むことに何となく抵抗を覚える方もいらっしゃるのではないでしょうか? もちろん、薬の処方時に医師から説明を受けると思いますが、今回は、よくある質問、気になる質問への答えをQ&Aの形でまとめてみました。


Q&A

・ 薬を飲むのは役にたつの?
もちろんです。うつ病のお薬は脳内の神経伝達系(セロトニン、ノルアドレナリン系)に作用して、抑うつ症状を改善します。どの抗うつ薬がベストか、また、薬の効き方にも個人差がありますが、お薬はうつ病の治療には必要不可欠です。

・ 薬の他にうつ病の治療法はないの?
体に作用する他の治療法としては、電気痙攣療法(ECT)、季節型うつ病に効果のある光療法などがあります。電気痙攣療法は薬がどうしても効かない時、薬が体に合わない時、また、急速な症状の改善(ECTは薬物療法と比べて、症状改善に即効性があります)が望まれる時などに適応となります。季節型うつ病では冬季の日照時間が短い時にうつ症状がでるのが特徴で人工的に光を浴びることによって、生体リズムを整え、うつ症状を改善します。

・ どんな副作用があるの?
副作用が出る原因は、抗うつ薬が脳内の神経伝達系の他にも他の神経系(コリン系など)に作用してしまうためです。代表的な副作用は口が渇く、便秘、排尿障害、眠気などですが、副作用の発現は個人差が大きいです。多くの場合、服用を続けていくうちに、副作用の症状は軽減します。また、新しく開発された抗うつ薬(SSRI,SNRI)ほど、うつ病の原因と考えられている脳内の神経伝達系に、より選択的に作用しますので、昔からある三環系、四環系の薬と比べると、副作用は少なくなっています。

・ 依存性はあるの?
ご心配いりません。抗うつ薬には依存性はありません。抗うつ薬は作用の発現に時間がかかります。飲んですぐ、気分が良くなるというわけではありませんので、心理的な依存は形成しにくいです。

・ 薬を飲むのは自分の弱さを認めること?
いいえ、そんなことはありません。うつ病に関してネガティブなイメージを持たれている方は少なくありませんが、抗うつ薬を飲むことは基本的には、風邪を引いたら風邪薬を飲むのと同じです。うつ病が生活に及ばす影響を極力少なくし、また、元の元気な自分に戻れるよう手助けをするのが薬の役目です。

次ページにQ&Aは続きます。>>
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