緊張すると下痢を引き起こす「過敏性大腸症候群」。働き盛り世代にとても多い症状なので、心当たりのある人も多いのでは?どんな病気で、どんな対策が必要なのかしっかり把握しておきましょう。

■映画『シコふんじゃった』でおなじみのあの症状!

大切なデートの前や大事な商談の前になると、おなかがグルグルとゆるみだし、便意をもよおしてトイレに直行・・・なんていう経験はありませんか?直前に悪いものを食べた記憶もないし、おなかをこわしていたわけでもないのに、緊張する場面になると下痢症状を起こしてしまう。こうしたトラブルを「過敏性大腸症候群」といいます。

よくイメージできないという人は、大学の相撲部の内幕をテーマに描いた青春映画『シコふんじゃった』を思い出してみてください。竹中直人さん演じる“青木富夫”という人物が、大事な試合の直前になるといつもトイレに駆け込んでいたシーンを覚えていませんか?竹中さんがコミカルに演じているので、思わず笑ってしまった人も多いと思いますが、あのシーンは過敏性大腸症候群に悩む人にはまったく笑えない、この病気の典型的な症状なのです。

■背景にあるのは強いストレスや性格的な素因

このトラブルは、精神的なストレスが体の病気として現れた「心身症」のひとつ。実際、心身症と呼ばれる病気のなかには、食欲不振、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの消化器系のトラブル、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症などの皮膚のトラブル、緊張型頭痛やめまいなどの神経性の病気、また高血圧や糖尿病などの生活習慣病までたくさんの病気があります。

こうしたトラブルが引き起こされる背景には共通性があり、家族の死や仕事上の失態など強いストレスが影響していたり、また、完璧主義、几帳面などの性格的な面が影響していることもあります。

■働き盛り世代はストレスをためすぎないで!

初期の段階では、緊張や不安を感じたときには心を鎮めてリラックスするよう心がけたり、ストレスの要因となるものを避けていくことで対処することができます。しかし、「ここ一番」という場面になるとなんども下痢を繰り返してしまう場合には、精神科で行動療法という治療を行い、“不安感・恐怖感→下痢”という誤った行動の流れを修正していきます。この方法では、不安を感じる場面に段階的に直面させ、症状があらわれないことを確認させていくことで、不安を徐々に取り除いていく方法です。

このように、こじらせてから修正するのはとても時間と根気が必要になりますので、症状に気づいたときには、ストレスをためないように心がけ、ひとつのことを思いつめないよう、うまく気分転換をはかっていくことが大切です。過敏性大腸症候群は、特に日々ストレスにさらされている働き盛り世代の方に多いトラブルですので、思い当たる人は気持ちのコントロールを心がけるようにしてみてくださいね。


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