近年、「食物繊維に大腸癌の予防効果はない」と言われ始めました。今までの「効果がある」という報告は、なぜ否定されてしまったのでしょうか?

大腸癌のリスクはどういう時に増えたり減ったりするのかを踏まえ、食物繊維の予防効果の真実に迫りたいと思います。

食物以外で大腸癌に関係するのは何?

大腸癌に関係するのは?
大腸癌(結腸癌・直腸癌)は消化器の癌ですので、当然のことながら、食物との関係は密接です。しかし食物以外の要素も関係しています。

ホルモンが関係する女性の乳癌などを除き、通常のガンは年齢が高くなるほど罹る確率が増加します。ですからガンについて解析する時には、まず年齢を考慮しなくてはいけません。

男女差もあり、一般的に男性のほうがガンに罹り易いと考えられています。

体型との関係については諸説ありますが、大腸癌に関しては、非常に肥満度が高い場合増加する傾向があります。肥満は熱量の摂取過多と運動不足に関係しますが、肥満度と脂肪摂取は関係があるので、この二つを切り離してどちらが原因かを考えるのは困難です。

また、忘れてはいけないのが喫煙です。肺癌ほどではありませんが喫煙も大腸癌の危険性を高めるのです。

以上のように、大腸癌について考える時は、年齢・性別・体型・喫煙習慣といった要素も考慮する必要があります。


大腸癌リスクを低下させるのは何?

日本では報告されていませんが、欧米では葉酸というビタミンの摂取に大腸癌の予防効果があるとされています。名前の通りいわゆる葉ものに多く含まれているので、野菜や果物、またオレンジジュースなどの果汁も葉酸源となります。サプリメントのマルチビタミン(総合ビタミン)も葉酸を一定量含んでいます。

牛乳は大腸癌を増加させるという報告が以前ありましたが、現在はカルシウムの摂取が大腸癌を予防する効果が確認されたので、牛乳も大腸癌を低下させる食物という事になります。

葉酸・牛乳の摂取には、大腸癌を低下させる可能性があるということです。


大腸癌リスクを増加させるのは何?

飲酒は、女性では明らかではありませんが男性の場合は大腸癌のリスクを増加させます。

また、牛肉、豚肉など見た目が赤い肉をred meatと呼びますが、これらも摂取量が多いと大腸癌リスクを高めてしまう傾向があります。肉が持つ脂肪分が関係していると推定されています。

大腸癌を増加させる飲酒と肉の摂取についても考慮しなければなりません。

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