食と健康/食と健康の基礎知識

機能性が注目される「植物油」(3ページ目)

最近植物油がバラエティ豊富になっています。オリーブ油だけでなく、椿油や米油、中国の茶油など・・・・。今回は話題の植物油をご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

「植物性油脂ならなんでも安心」は大間違い!

植物油ならなんでも安心とは、言えません。例えば「やし油」「ココナッツ油」は動物性と同様の飽和脂肪酸です。こうした油は、安価で味も良く、安定性が高いので、スナック菓子やファーストフードなどに多用されています。

また本来常温では液体である植物油に水素を添加して固めたマーガリンやショートニングには、人工的なトランス脂肪酸が含まれています。このトランス脂肪酸は、取りすぎると血液中の悪玉コレステロールが増え、心臓病などを引き起こす原因になると指摘されています。アメリカと比べると日本では、摂取量が低く安全基準内ではありますが、やはり安価なためお菓子類やパン、総菜、スナック菓子、ファーストフードなどには使用されています。

国立健康・栄養研究所では、「トランス脂肪酸の危険はたばこよりはずっと小さい。ただ、摂取量は少ない方がよく、トランス脂肪酸を含む食品を取りすぎないように」としめしています。加工品やジャンクフードばかり食べている人は、知らず知らずのうちにたくさんとることになるので、気をつけましょう。

油の酸化に注意!

オレイン酸は、酸化しにくいのが特長ですが、いくら質のよい油だとしても、加熱したり、空気に触れた油は、体によくない過酸化脂質が生じてしまいます。揚げ物をする時はたっぷりの油で・・・、とは言いますが、必用以上にたくさん使うとすぐに酸化していきます。どんな油であれ、揚げ物で使った古い油を何度も使用しないようにしましょう。

もちろん当たり前のことでずか、どんなによい油でも、とりすぎればカロリーも高くなり肥満の原因にはなりますから、適量が肝心です。

脂肪がつきにくい油はいいの?

トクホ(特定保健用食品)に認定された食用油も人気が高いですね。食後の血中中性脂肪が上昇しにくいく、体に脂肪がつきにくい「ジアシルグリセロール」、効率よく燃焼し脂肪になりにくい「中鎖脂肪酸」、コレステロールの吸収を抑える「植物ステロール」などがあげられます。

こうした油は、さまざまに検証された上で効果が認められ、厚生労働省が許可していますので、コレステロール値や血圧、血中脂肪の数値が高く深刻な場合、油は減らしているのにどうしても数値が下がらない場合、医師に勧められた場合など、使用されると効果が得られることもあるでしょう。

けれども加工・調整された油の中には、まだまだ未知の部分もあり、再検証しているものもあります。コレステロールや脂肪が気になるなら、まずは油脂の摂取を控え食事のバランスを見直すのが優先です。単純に、これまでと変わらずフライを毎日食べたいから、コレステロールのつきにくい油を使うというのでは、安易だと私は思います。

今回ご紹介した植物油は、確かに値段が高いものが多いです。だからこそ大切に控えめに使うという方が、健康のためにもちょうどよいのではないでしょうか。


■関連リンク
よく聞く脂肪酸ってなーに?(食と健康)
血液ドロドロ高脂血症の食事(食と健康)
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