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BSEから現代の食問題を考える

牛海綿状脳症(BSE)から偽装表示へ、問題噴出の日本。これらの問題を通して、今の食生活を見直してみましょう。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

牛は、草食動物だということをご存じですか?
その牛に、短期間で大きくするために共食いをさせたことが、牛海綿状脳症(BSE)の原因だといわれています。BSEが日本で出たから牛は食べない、なんて対処療法ではなくて、なぜこのような病気が出て来たのか?、という根本的な原因を考えない限り、解決しないと思います。

肉骨粉を飼料に混ぜて食べさせられている豚肉や鶏肉、養殖魚、ペットフードなどにも、今後こんな問題が出て来るかもしれません。

◆日本でのBSEの原因は…◆

先日「BSE」について、ある酪農家の私見を読みました。これは、根本的な原因の一つだと思うので、簡単にまとめます。
まず日本でのBSE問題が生まれた原因として、”消費者が安いものを求める状況”が、安い飼料で効率をあげる飼育方法につながっているということがいえると思います。

以前は、乳脂肪が3.2%以上であれば牛乳として販売されましたが、味を高めるため3.5%になりました。牛は、体重の1割程度の草を食べます。でも、草を食べると水分が多くなり、乳脂肪が落ちます。ですから乳脂肪率を高めるために、またコストを下げようと輸入の肉骨粉が使われるようになったそうです。一番安く動物性タンパク質が多く含まれているのが、鶏用のえさで、これを牛の飼料に混ぜて経済効率を上げていたのが実情ではないか、ということです。

日本の安全な畜産を守るためには、今後は安い食べ物を目指すばかりではなく、消費者もある程度の負担をしなければならない時代になっています。こういう食べ物を作ってきた責任は生産者にもありますが、消費者も安さを優先してきた責任があると、その酪農家の話は結ばれていました。
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