節税対策/法人税の節税対策

売上・仕入・在庫の節税(3ページ目)

売上・仕入・在庫という商売の根本から、活用しやすい節税のポイントをご紹介していきます。これらの項目は、金額が大きいことから節税効果も大きくなります。

今村 仁

執筆者:今村 仁

中小企業・個人事業主の節税対策ガイド

活用しやすい在庫の節税

在庫とは、仕入れた商品・材料または製造した製品・仕掛品のうち、期末まで売れ残ったもののこと。在庫は、必ず税務調査の対象となると言っても過言ではありません。在庫は内部管理項目ですので経営者の恣意性が介入しやすく、実際の調査では利益調整勘定とされていることが多く、課税当局としては徹底的に調査します。

売上原価は(期首在庫+当期仕入高?期末在庫)で算出しますが、算式の通り期末在庫は当期の売上原価を構成しておりません。従って、期末在庫の評価というものが、利益に大きく影響を及ぼすことがおわかりになるでしょう。

期末評価方法を活用

在庫
在庫の評価方法1つで、節税効果が違ってきます
税法上、在庫の評価方法が定められていますが、どの評価方法を選択すれば節税に有利なのでしょうか?

ズバリ、節税に有利なのは低価法でしょう。低価法とは、その種類などの異なるごとに区分し、その種類などの同じものについて取得原価(原価法に基づく一定の方法で計算した金額)と時価とを比較し、いずれか低い価額をもって期末評価額とする方法。今のような物価が下落傾向にあるときは、期末在庫評価額が小さくなり、つまり売上原価が大きくなるため利益を圧縮することができます。

原価法においては、物価が下落傾向にあるときは、最終仕入原価法が節税には有利といえます。それは、最終仕入単価で在庫を評価するため、物価が下落傾向にあるときは売上原価を大きくすることができて、利益を圧縮することができるからです。

会社はどの評価方法も選択することができますが、税務署に「棚卸資産の評価方法の届出」をして、何を選択したか報告しなければなりません(選択しない場合には、最終仕入原価法による原価法となります)。評価方法を変更する場合には、変更しようとする事業年度開始の日の前日までに「棚卸資産の評価方法の変更承認申請書」を提出しなければなりません。また、いったん選択した方法については、利益操作を排除するため、正当な理由がある場合を除き継続適用することになります。

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