ワード(Word)の使い方/レイアウト

ワードで水平線が削除できないときの対処法(3ページ目)

「線をスマートに引こう(2003/2007)」で紹介した水平線を削除できない! という問い合わせがありましたので、削除方法を説明します。

井上 健語

執筆者:井上 健語

ワード(Word)の使い方ガイド

なぜ、こんな現象が起きるのか?

以上、2つの現象を紹介しましたが、なぜこのような不思議なことが起きるのでしょうか? 勘のいい方は気づかれたと思いますが、「---」や「===」で入力できる水平線の正体は、じつは「段落罫線」です。

段落罫線については、「段落罫線を使いこなそう(2003/2007)」で詳しく解説しました。じつは、段落罫線について書いたのは、今回の内容を説明するうえで、段落罫線の知識が必要になると思ったからです。ですので、記事を読まれていない方は、ぜひ今回の記事とあわせて参照させるとよいと思います。

ここまでと同じ画面を使って、段落罫線の観点から、何が起きているかを順番に説明したいと思います。

1. ページ先頭にカーソルを置きます。この最初の段落を、段落Aとします。

ページ先頭にカーソルを置きます。この最初の段落を、段落Aとします
ページ先頭にカーソルを置きます。この最初の段落を、段落Aとします


2. 先頭に半角で「===」と入力し、段落Aの末尾で[Enter]キーを押します。

先頭に半角で「===」と入力し、段落Aの末尾で[Enter]キーを押します
先頭に半角で「===」と入力し、段落Aの末尾で[Enter]キーを押します


3. 水平線が挿入されました。このとき、段落Aの前に新しい段落Bが挿入され、この段落Bの下辺に段落罫線が設定されます。

水平線が挿入されました。このとき、段落Aの前に新しい段落Bが挿入され、この段落Bの下辺に段落罫線が設定されます
水平線が挿入されました。このとき、段落Aの前に新しい段落Bが挿入され、この段落Bの下辺に段落罫線が設定されます


4. 段落Bにカーソルを置きます。

段落Bにカーソルを置きます
段落Bにカーソルを置きます


5. [Enter]キーを3回押して新しい段落C、D、Eを3つ作成します。

[Enter]キーを3回押して新しい段落C、D、Eを3つ作成します
[Enter]キーを3回押して新しい段落C、D、Eを3つ作成します


水平線のある段落Bで[Enter]キーを押したので、新しい段落C~Eには段落Bの設定が引き継がれます。つまり、下辺に段落罫線を表示する設定も引き継がれます。ここで、前回、段落罫線の特徴として説明した文章を引用させてください。

段落罫線を設定した段落中で[Enter]キーを押して新しい段落を作ると、新しい段落にも段落罫線の設定が引き継がれます。この場合、同じ設定の段落が連続して並ぶことになるわけですが、上辺と下辺の段落罫線は最も上および下の段落にだけ表示され、左辺と右辺の段落罫線はすべての段落でつながって表示される。

つまり、B~Eの4つの段落は"下辺に段落罫線を表示する"設定になっているのですが、同じ設定を持つ段落が連続しているため、いちばん下の段落Bの下辺だけに段落罫線が表示されているのです。

このため、たとえば段落Bを削除すると、段落Cがいちばん下になりますから、段落Cの下辺に段落罫線が表示されます。同様にして、段落Cを削除すれば段落Dの下辺に、段落Dを削除すれば段落Eの下辺に段落罫線が表示されます。そして、段落Eを削除すると、段落罫線が設定されていない段落Aだけが残るため、水平線が消えるわけです。

水平線が移動して見えた現象も、理屈は同じです。[線種とページ罫線と網かけの設定]ダイアログボックスを開き、段落Bの段落罫線を「罫線なし」にすると、段落Cがいちばん下になりますから、段落Cの下辺に段落罫線が表示されます。

同様にして、段落Cの段落罫線を「罫線なし」にすると段落Dの下辺に、段落Dの段落罫線を「罫線なし」にすると段落Eの下辺に段落罫線が表示されます。そして、段落Eの段落罫線を「罫線なし」にすると、残りの段落Aには段落罫線が設定されていないため、水平線が消えるのです。

以上が、不可思議に見えた現象の仕組みです。

こうすれば水平線が消える
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