P‐競合企業との直接の競争を避ける「ポジショニング」

セグメンテーションを行って、自社の得意とする市場にターゲットを定めれば飛躍的に成功確率は高まりますが、それはターゲットとする市場に全く競合企業が存在しない場合です。ただ、そのような都合のいい状況はまずあり得ません。

それでは、自社がターゲットに定めた市場に、自社よりも強い競合企業が存在した場合はどのようにすればいいのでしょうか?

ターゲットとする市場を変更するということも1つの手段ですが、その他に適切な市場を見つけられるとは限りません。そこで、ターゲティングの次のプロセスとして、ターゲットとする市場で他社と全く違った切り口でビジネスを展開していく「Positioning(ポジショニング)」という手法が活用されます。ポジショニングとは、ターゲットとする市場で競合他社の戦略を分析し競合他社が存在していない分野で自社の経営資源が十二分に活かせるポジションを発見し、独自性や差別性を発揮して競争を優位に展開していく手法です。

ポジショニングを行う際には、ポジショニングの軸を定めてターゲットとする市場で、どの企業がどのような戦略でビジネスを展開しているのかを把握します。通常、同じ市場でビジネスを展開する企業の違いを明確化する要因を2つ設定し、それらを縦軸と横軸に割り当てたポジショニングマップという図を描いていくことになります。

たとえば衣料業界のポジショニングマップを作成すれば、横軸に低価格か、高価格かという「価格」の要因、縦軸にファッショナブルか、ベーシックかという「ファッション性」の要因を割り当てることができるでしょう。このポジショニングマップでは、ユニクロは低価格でベーシックのポジションに位置付けることができますし、フォーエバー21は低価格でファッショナブルという位置付けができます。

■ファッション業界のポジショニングマップ
ポジショニングマップを作成すれば、ライバルとの位置関係が一目瞭然となる
ポジショニングマップを作成すれば、ライバルとの位置関係が一目瞭然となる


同じ低価格のファッションを提供する2社ですが、ポジショニングマップを描くと、ユニクロとフォーエバー21は違う土俵でビジネスを展開していることになり、直接の競合相手ではないと推測することができます。


同じターゲット顧客に対して強力なライバルが存在すれば、このようなポジショニングマップを描くことにより、自社独自のポジショニングを行い無用の競争を避けてビジネス成功の確率を高めていくことも可能になるでしょう。

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