対象顧客を明確化させよう
顧客をよく知ることが、マーケティングの出発点
たとえば、東京にオフィスを構える高齢者向け介護サービスを提供する企業であれば、「東京在住の65歳以上の高齢者」という顧客像を描くことができるかもしれません。
市場規模を把握しよう
続いてその対象顧客が、どのくらいの規模になるのかを把握していくプロセスに移ります。この段階では具体的な数値で把握することが重要になります。規模を把握する上では自社でゼロから調査することもできますが、国勢調査などの政府の資料やリサーチ専門業者の報告書を利用すれば、簡単に市場規模の把握ができます。たとえば、政府の実施した国勢調査を利用すれば2005(平成17)年時点で東京都には65歳以上の人口が男性99万人、女性131 万人の併せて230万人ということがわかります。ですから、65歳以上を対象とした介護サービスを提供する企業にとっては、おおまかに230万人がサービスの対象になると考えられます。
市場規模の把握で重要なことは、自社が事業を継続していく上で現状十分な規模を有しているかということです。ビジネスというのは収益を上げ続けなければ存続も難しいわけですから、経費を支払って余りある売上を上げなければいけません。市場規模が小さく、十分な売上が上がらないようであれば、最初から事業を行う意味がないということです。このような場合、将来的に大きな市場に成長するという確固たる自信がなければ、市場規模の調査段階で市場参入を断念するという判断を行うこともあるでしょう。
対象顧客のニーズを浮き彫りにしよう
顧客のニーズを探るには、決定的な要因となるニーズを発見すること
たとえば、介護サービスについて言えば、「自宅でサービスを受けたい」「専用の介護施設でサービスを受けたい」「できる限り安い価格が望ましい」「高くてもいいから充実したサービスを受けたい」など、様々なニーズが想定されます。そのニーズの中から自社の事業にふさわしい、多くの顧客が共通に持つものを見つけ出すことが重要になるというわけです。