マーケティング/マーケティング戦略・応用編

製品戦略を左右するプロダクトライフサイクル(2ページ目)

マーケティングでは、「誰に」売るのかを決定した後に、「何を」売るのかを決定していきます。今回はこの「何を」の部分に当たる製品戦略についてそのエッセンスをお届けしていくことにしましょう。

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

製品戦略を左右する「プロダクトライフサイクル」

製品の「寿命」を見極めよう

製品には「寿命」がある。その製品の今の寿命を見極めよう

製品戦略において、気をつけなければいけないことに「プロダクトライフサイクル」があります。プロダクトライフサイクルとは製品の寿命のことであり、製品やサービスも人間と同じように生から死までのプロセスがあるというわけです。企業はこのプロダクトライフサイクルに応じて適切なマーケティング戦略を採用していく必要があります。

プロダクトライフサイクルは導入期、成長期、成熟期、衰退期という4つの特徴ある時期に分類されます。

■導入期
まず、導入期は新製品を市場に導入したばかりの時期であり、市場での製品の認知度が低いため売上がほとんど見込めません。この導入期では、ある程度の予算を確保して市場での認知度を高めていくプロモーション活動が次の成長期へ繋がる大きなポイントとなります。

■成長期
プロモーション活動が功を奏して、市場での認知度が高まれば、続いて製品が自然に売れ始める成長期に突入します。成長期に突入すると、「ビジネスチャンスあり」と判断した競合他社が利益を求めて続々市場に参入し、同様の製品を投入してきますので、いかに他社製品と差別化された製品を市場に投入できるかが成功の鍵を握ります。

■成熟期
そして、消費が一巡し成長が一段落すると、売上はピークを迎え徐々に下降曲線を辿るようになります。成熟期の到来です。この成熟期では製品のバリエーションは出尽くし、真新しさは感じられなくなりますので、各企業は価格で勝負を仕掛けてきます。製品寿命の先行きも見えてくる時期なので、いかに設備投資を抑制してコストを削減し、利益に繋げていくかが重要なポイントになるでしょう。

■衰退期
最後に、成熟期を過ぎれば急速に売上が落ちていく衰退期に入ります。衰退期では、ほとんどの対象顧客がその製品を持っているか、すでに製品に魅力を感じなくなっていますので、プロモーション活動など製品戦略以外のマーケティング戦略を組み合わせても、売上を上げることは難しくなります。衰退期を迎えた製品は、イノベーションを行って新たな製品を生み出すか、それができないようであれば市場からの撤退を含めた選択を行う必要があります。

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