ネットショップで買う気にさせるハウツー
では解答です。と言っても、売るための工夫は無数にありますから、その全てをここで解説することはできません。私が楽天市場ランキングページを見た時点で、特に目に止まったテクニックを中心にいくつか解説したいと思います。■限定感をつける
たとえば、「残り24時間で終了です!!」「早期割引は31日まで」と、購入に対して限定する手法。元来、人間は怠け者。「いつでも買えるわ~」と思ったら、行動を先延ばしする傾向があります。そしてそのまま購入を忘れてしまうことも。だから、限定することで、今すぐ行動させることが効果的なのです。
■お客様の声をのせる
お客様の声がたくさんあり、それらが商品を絶賛していると、安心感を持って商品を購入できます。売り手が商品の良さをどれだけアピールしようとも、買い手としては「本当だろうか? 売らんがために言っているんじゃないの?」と疑いがち。だから、買い手と同じ立場にいたお客様の声で安心してもらうということです。
ユーザーに注文ボタンを押させるプレゼン力はどこからくるのか?
日本人は「右へならえ」の行動をとる傾向が高いと言われています。おそらく、実際そうでしょう。だから、効果的なのは「みんな買っていますよ」と言ってあげること。それによってユーザーは「じゃあ、私も……」という気持ちになりやすいのです。
■権威者のお墨付きを用いる
「○○さん御用達!」とか「△△さんも夢中」といった表現で、その道の有名人が推薦していることをアピールする方法です。たとえばダイエット商品であれば、すごくスリムできれいな体型をしている芸能人に「わたしもこれで体型維持をしています」などのコメントをもらい、それを掲載する方法です。 似たような方法で、「○○機関から国際認証を受けました」といった形で、虎の衣を借ることもあります。
■なぜ○○はおいしいのか?
食品系のページでよく見るのが「なぜ○○はおいしいのか? 3つのポイントでご紹介」といった表現。この言葉は非常に巧みにつくられています。 この表現、そもそも○○がおいしいことが大前提としています。「○○はおいしいですよ」とストレートに表現するよりも、受け手にすんなりと受け入れてもらいやすいのです。 ちなみに、こうしたテクニックは心理学用語ではダブルバインドと呼ぶそうですね。
■値引きは目立つ形で
私が見た時点で、上位20商品のうち4商品で、商品名のリンクに【送料無料】の文字がありました。単純に安さアピールではあるのですが、送料にフォーカスを当てているのがミソ。
仮に送料が700円だとして、送料アリで700円を値引きするよりも、送料を無料にしたほうがお得感があり、アピールもしやすいです。 このように、安さをアピールするのならば、それがもっとも伝わりやすい形態で表現してみせる必要があるということです。
自分の心がどこで動いたかに敏感になろう
今回の記事は、プレゼンテーションの事例として書きました。こうした事例の大切なところは、自分自身が受け手として「どのように心を動かされたか」について敏感になることです。自分は、どの言葉にビビっときたのか? そして、そのようになったのはなぜなのか? そうしたことに敏感になれば、日常の至る所がプレゼンテーションの学びになりますよ。