マネジャーやリーダーがコーチングに注目する理由
トップダウンのリーダーシップスタイルからコーチ型リーダーシップスタイルへの移行が求められている |
トップダウン型の組織では、権限を与えられた一部の層の人たちが考え、指示し、他の人たちがそれに従うというモデルが一般的でした。リーダーたちは与えられた権限によってメンバーを動かすことができたのです。しかし、今は年功序列終身雇用といった概念も過去のものとなり、新入社員の3割が3年以内に転職してしまう傾向にあります。権威を振りかざしても部下は動かず、部下は会社を辞めてしまうのです。
リーダーたちは権限に加え、1対1で人と関わり人を動かす影響力なしにはリーダーシップを発揮することが難しいということに気づき始めました。
「管理型リーダーシップ」と「コーチ型リーダーシップ」の違い
コーチ型リーダーシップとは、組織のリーダーやマネジャーがコーチングスキルを身につけ、日々の業務管理や目標達成、部下育成などのマネジメントに活用する方法です。並行して、部下にコミュニケーションや仕事の知識、スキル、問題対応などの能力を身につけさせます。つまり、部下が自発的に学び、創意工夫し、より早く、より大きな目標を達成する能力を身につけさせ、成長の機会を与えるのです。マネジメントにコーチングを生かすことで、離職率の低下、業績向上、チームワークの向上などの成果を出すことができます。コーチングを身につけたリーダーは具体的にどのような行動をしているのか、指示命令や権限を背景とする「管理型リーダーシップ」と比較する形で紹介しましょう。
■管理型リーダーシップの特徴
- 結果だけを重視しがち
- 実行することを指示する
- 緊急時の対応に適している
- 相手の弱み、間違いを指摘する
- リーダー自らが教える
- 実行のスピードが速い
■コーチ型リーダーシップの特徴
- 結果を意識しつつも現在進行形で関わる
- 相手からアイディアを引き出す
- 緊急時の対応には適さない
- 相手の努力や成長に注目する
- 相手から引き出す
- 時には時間を要する