大切なことは、相手の顔を良く見て話すこと
ガイド:インタビューの前半で、「こんな顔のタイプの人は、無駄な訪問を嫌うので、短時間で納得してもらえる資料やセールストークを用意しよう、とか、顔の印象から性格を考えて、営業の攻略法を構築したりしていました。」と伺いました。11年の営業経験を通して、既に、野中さんの中には、膨大なデータベースと検索機能が出来上がっていて、研究というのは、その検証作業(ご自身の考えを確かめる)だったのではないかと思いました。
ビジネス本に、見た目の印象をテーマにしたものは数多くあると思いますが、「顔相」から人を見抜くというのは、特殊な分野になるので、その技術をどうやって身につけられたのか、とても興味深く思いました。それは、研究後ではなく、リクルートでの営業経験がベースにあったからこそなのですね。
野中:
僕は、顔を16タイプに分けて、こういうタイプの人には……、というようなことを書いていますが、何を伝えたいかというと、実は、顔の形がどうのこうのというよりも、大切なことは、コミュニケーションをとるときに相手をよく見ましょう、相手の顔を良くみましょうということなんです。
ガイド:
ここ10年、パソコンやインターネットの普及で、人と直にコミュニケーションを取る機会が、それ以前と比べると、信じられないほど減っています。メールがメインの連絡手段になって、電話で話すことも少なくなっていますね。
野中:
人間というのは、顔を見て、生の表情や生の感情を見るのは非常に大事です。メールは便利ですが、相手の顔が見えないので、会話にはなっていなんですね。感情のすれ違いや行き違いも、結局、そこで、会ってないことが原因だったりします。恋愛では、なおさらです。だから、この本を通して一番伝えたいのは、人に会いましょう。人の顔を見ながら話しましょうということになります。
顔が性格をつくり、性格が顔をつくっていく
ガイド:顔は履歴書と言われたり、40歳を過ぎたら、自分の顔は自分の責任だと言われますね。
野中:
「スパーポジティブな人は、常に半笑いのように口角が上がった顔をしています。」と野中さん。 |
表情の蓄積が、その人の履歴書のように顔に刻まれていきます。だから、どういう表情をして生きてきたかが顔に表れているので、その人の顔から性格の傾向が分かります。顔と性格は、相互に関係し合っています。