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トップアスリートの強さの秘密は、勝負脳?(2ページ目)

北京オリンピックで驚異的な強さを発揮し、連続2冠を達成した北島康介選手。その強さの秘密に「勝負脳」というキーワードがあります。そこで、脳科学によるメンタルの鍛え方にアプローチ!「勝負脳の鍛え方」とは?

執筆者:塚田 祐子

勝負脳を鍛えるには?

勝負脳を鍛える
試合に勝つためには、体を鍛えたり、セオリーだけでなく、人間の脳の働きまでを考えて、勝つための戦略を練ることが重要。
林教授の著書「〈勝負脳〉を鍛える」に、北島選手たちが受けたレクチャーの内容(脳の働きや勝負脳の鍛え方)が紹介されています。脳科学の発達で、人間の性格や行動、心までが科学的に解明されてくると、林教授が言うように、脳の働き・仕組みを知ることで、自分の弱点を克服できる、ということはとても説得力があります。

勝負脳の鍛え方の中で、私がマーカーしたくなったのは、脳の習性をもとにした「サイコサイバネティックス理論の応用」という部分です。人間は必ず目的を達成する習性を持っているので、それを理解し、次の3つを守ることができれば、非常に困難だと思われることでも、(時間はかかるかもしれないが)必ず達成できる、林教授はそう力強く断言しています。

■目的ではなく目標に集中せよ
ただ「ガンバリます!」ではダメ。何を達成しようと頑張るのかを、はっきりさせること。特に、目的と目標を区別して考えること。優れた勝負脳の持ち主は、決して「目的=勝負の結果」にはしない。勝つためにはどのようなゲームプランを立て、何を目標に戦いを進めていくか、そのプロセスに気持ちを集中させることが、結果として目的達成につながる。

■目標達成の具体的な方法を明らかにして実行する
自分の弱点を認めること。うまく行かない理由を分析して、何が自分に欠けているのかをあらゆる角度から検証し、批判を受け入れて、それを解決する具体策を立てることが目標達成の条件になる。できるだけ高いレベルのコーチや一流選手の視点から評価を受けると、上達も早くなる上に、到達できるレベルも高くなっていく。

■目標を達成するまで、その実行を中止しない
人間は、目的や目標が達成できないと、色々な理由をつけて方向転換しようとする。これは、人間が持つ(自分の脳を守ろうとする)自己保存の本能に従った考え。これを一度体験して癖になってしまうと、何をやってもいつも目的が達成できない脳になってしまう。そういう仕組みが人間の脳にはある。

これまで、精神論や「~すべき」と語られてきたことが、脳の機能に従ったものなのだと分かると、腑に落ちてとてもスッキリします。そして、勝負脳は、スポーツ選手だけの話ではなく、仕事や日々の日常において生かされるものです。


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