最低確保する売上金額は?
下記の図表を見ていただくと、損益分岐点売上高は「売上=経費(固定費+変動費)+利益(ゼロ)」であることが分かります。経費の中で固定費とは、売上に関係なく毎月出ていく費用で、事務所経費(家賃や水道光熱費、電話代やインターネットなどの通信費など)やスタッフの人件費などです。変動費は、売上に比例して増減する費用で、仕入、材料費、外注費、広告宣伝費、交通費などが上げられます。損益分岐点とは、売上と経費の関係において、損失も赤字も出ない、損益がゼロになる売上金額のことで、その売上を「損益分岐点売上高」と呼びます。 |
損益分岐点を求める公式は、「損益分岐点=固定費÷(1-変動費/売上)」となり、売上に占める変動費率を出して、限界利益(売上-変動費)で固定費をカバーできる売上高を算出します。しかし、フリーランスの職種はサービス業が多く、販売や製造業のように仕入や原材料費がないため、実際には、限りなく固定費が経費を占める割合が大きくなります。そのため、独立前の試算段階では、固定費をしっかりと計算しておくことが大切です。単純計算すれば、仕事にかかる固定費に生活費を加えた金額が、独立後、最低稼がなければならない売上金額(損益分岐点の目安)になります。固定費の計算方法は、以下の記事を参照してください。
【参照記事】
・毎月の固定費を算出しよう(フリーランスの独立マニュアル)
経費の次に、会社員時代と大きく変わることが、税金や保険料の支払方法です。独立すると、いったん手にした収入からそれらを支払っていくことになります。その金額は、利益の約4割にも及ぶため、目標売上は、それらを考慮して計算しておかなければなりません。