支払ってもらえない売掛金は、どうなる?
前回、売掛金の未払いがあったら、貸倒れになる前に対策を!、というお話をしました。頑張って督促しても、支払ってもらえなかった場合は、どうなるでしょうか。経理的な処理としては、回収不能となった売掛金は、貸倒金として必要経費にできます。ただし、貸倒れと認められるのは、次のような場合です。
■全額が貸倒れと認められる場合
・取引先の資産の状況や支払能力などから、回収不能が明らかな場合
■備忘価額(1円以上)を残して、残額が貸倒れとなる場合
・取引を停止後、1年以上経過しても支払ってもらえない場合
・取引先が遠方にあり、取立てに行く旅費が売掛金額より上回り、督促しても支払ってもらえない場合
※備忘価額:実際には、資産(売掛金)が回収不能でゼロになっても、帳簿上でその資産が残っていることを忘れないようにするためのもの。備忘価額は1円にする場合が多い。
フリーランスのサイトで実施している「あなたの一票」でアンケートをした結果、売掛金の未回収を経験している方が、なんと半数を超えていました。独立当初は、なかなかお金の話がしづらかったり、契約書を交わさずに仕事をしたりして、自らトラブルの原因を作ってしまいがちです。約束の支払期日を過ぎても、未入になっているものがないか、毎月末には入金チェックをするようにしましょう。
貸倒引当金を活用しよう!
青色申告の特典に貸倒引当金があります。年末に、売掛金や未収入金などがある場合は、それらの合計金額の5.5%までの金額を、貸倒引当金として必要経費にすることができます。この引当金とは、翌年に予想される貸倒れに対して備えるものです。■貸倒引当金の計算方法
帳簿上の売掛金などの合計金額 × 5.5%(以下)
翌年、貸倒れの発生がなく、引当金を使わなかった場合には、貸倒引当金は、翌年の収入金額へ戻します。2年にわたって考えると、プラス・マイナスゼロとなりますが、利益が出ている年には、引当金を必要経費にすることで、節税することができます。
いくら仕事をしても、入金されない不良債権が増えては一大事です。仕事を受注する際に支払条件を確認することも重要ですが、取引企業の経営状態もチェックしておく必要があります。
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