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30歳からの成長戦略を学ぶ【2】(2ページ目)

山本真司さんに学ぶ「30歳からの成長戦略」、第2回目です。いよいよメインテーマにせまります。これからの時代へ向けて、「個人の成長戦略」をどう描いていったらよいのか、その考え方や方法論をお伺いしました。

執筆者:塚田 祐子

“実力派天邪鬼”とは

“天邪鬼”という言葉には、変人とか変わり者というようなネガティブなイメージがあります。私が、ここで望む姿は、実力派の天邪鬼になることです。

■3つ目の鍵: 成長のスタイル
・ 基本的なビジネススキルは、超効率的に学んで身につける。
・ 天邪鬼的な発想、わがままな視点で自分の時間やお金を投資する分野を決める。
         ↓  ↓  ↓
“実力派天邪鬼”を目指す。
「大衆化するビジネススキル」×「イノベーションによる差別化」を図る。


下の図を見て下さい。これは、横軸に「大衆化するビジネススキル」を、縦軸に「イノベーションによる差別化」をとった、成長戦略のマトリックスです。

成長戦略マトリックス


左下が「普通のビジネス・パーソン」。焦りはあっても、まだ何も勉強せず、何も身に付けていない状態です。右横の「勉強家ビジネス・パーソン」は、ビジネススキルの大ブームの中で、「負け組編入恐怖症」から、世に出回るビジネススキルの類を一生懸命勉強している人、勉強しているけれど、先が見えずにいる人、確たる目的もないまま、資格でも取っておくかと考えている人。そういう方々です。

縦軸を見て下さい。差別化のポイントは(人気のないこと)×(好きなこと)を選ぶことでした。左上の「変わり者」は、イノベーションによる差別化の意識は強くあっても、ビジネススキルを全く持ち合わせていない人。ビジネスでは使えません。

皆さんにめざして欲しいのは、右上の“実力派天邪鬼”です。基本的なビジネススキルを身につけ、かつ、イノベーションの差別化意識を持った人です。

(人気の無いこと)×(好きなこと)を追いかけつつ、そこで得た発想を、論理的にまとめ上げ、他人とコミュニケーションをはかり、新しい発想を現実のビジネスに落とし込んだときの問題点や改善策も自分で考えられる人。それが“実力派天邪鬼”です。私が望むのは、そんな“実力派天邪鬼”への変身です。

“実力派天邪鬼”をめざすには、「大衆化するビジネススキル」を超効率でささっと身につけることが最大のポイントになります。これらを知らずには、まともなビジネス・パーソンにはなれません。これは、成功の必要条件です。

すると、「やっぱり、ビジネススキルは一通り勉強しなければ…」という声が聞こえてきそうですね。問題は、「戦略不在症候群」に陥って、やみくもに学習することです。これでは時間の浪費であり、時間のムダです。成長路線にシフトするためには、自分の専門分野を勉強する時間を捻出しなければなりません。そのために、必要最低限のビジネススキルは、時間効率よく学ぶことです。どの範囲をどのように勉強したらよいのか、この学習法については、次回お話します。

経営者人材をめざそう

成長戦略マトリックスで提示した最終目標は、“実力派天邪鬼”です。

■4つ目の鍵: めざす人材
・“実力派天邪鬼”をめざし、差別化で勝負する。
・経営者人材の質と量の確保が、企業の成長戦略の成功条件。
 ↓  ↓  ↓
めざす目標は、経営者人材。

想像してみて下さい。常にイノベーションを志向して、新しい発想で事業を生み出したり、既存事業を新しい視点で再生させる。そして、常識的なビジネススキルを身につけているから、どんな会社へ行っても通用するだけの基本スキルも備えている。もうあと一歩で、企業の成長戦略が要請している経営者人材に到達できます。

経営者人材をめざす上で要求されてくるのが、人を動かす力です。人間は感情の動物ですから、論理や数字だけでは、動いてくれません。そうした他人の感情をマネジメントするには、テクニックを学んだだけでは自ずと限界が出てきます。

そこで、自分自身の心の持ち方、何のために仕事をするのか、誰のために生きているのか。そういった経営観や人生観を打ち立てることが求められてきます。特に、自分の心をどうマネジメントできるか。この課題に立ち向かうことなく、経営者人材に到達することはできません。ここについても、次回、もう少し詳しくお話したいと思います。

世間では、すでに複数の40代社長、CEOが誕生しています。10年後、皆さんの多くが、経営者として事業を切り盛りしていてもおかしくありません。いや大企業にこだわる必要もありません。どんどん創造的なアイディアで差別化戦略を立てたら、是非自分で起業して欲しいと思います。そうすれば、日本は、もっともっと元気な国になるはずです。


第2回目は、ここで終了です。成長戦略のマトリックスにおいて、現在どこにスタンスを置き、どの方向を目指していけばよいのか、その考え方や方向性は少し見えてきたでしょうか。是非、時間をとって、じっくりと考えていただきたいと思います。

ここで、もう1度繰り返して申し上げます。
大事なことは手足を動かすことではありません。
その前に、自分の頭で「戦略」を考えることです。


それでは、次回は、超効率よくビジネススキルを学び、成長軌道へシフトするための仕事術についてお話いたします。お楽しみに!


次回の予告
第3回:成長軌道へシフトするための仕事術
・反常識的な仕事術のすすめ
・アウトプット学習法
・30分で分かるMBA
・成長するための思考法
・心のマネジメント

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