「コーチ」と聞いて、先ず思い浮かぶのがスポーツの世界です。選手の潜在能力を見抜き、成績や記録を伸ばしていくために、適切なトレーニングや自己管理の方法を助言していきます。一流選手の影には、名コーチ有りとよく言われます。

アメリカでは、スポーツ界の用語だったこのコーチングが、個人の自発性を引き出すコミュニケーション手法として発達しました。1990年代の後半には、自己実現やビジネスの領域において、個人がコーチを雇い、コーチングを受けることが一般化しました。

日本でもここ数年、新聞やビジネス誌で取り上げられ、目標達成や問題解決に大きな効果を生むものとして、非常に注目を集めています。

そこで、フリーランスの「職種探訪」では、いち早くコーチの資格を取り開業された高畠真由美さんに、独立体験インタビューへご協力をいただき、資格を取って独立できる新たな職種としてご紹介すると共に、「コーチング」が注目されるその背景やコミュニケーションの手法についてもご紹介していきたいと思います。

<INDEX>
1. コーチングとは?
2. コーチングが注目される社会的背景
3. コーチングを学んで独立、体験インタビュー
4. コレで独立できる!と直感で思った
5. コーチの資格を取得するには
6. コーチの仕事は、目標達成のサポート
7. やりがいは感動です
8. 営業活動とその方法
9. コーチに必要なスキル
10. 10年後のビジョン

コーチングとは?

では、“コーチングって何?”となると、イマイチ具体的なイメージがわかない方も多いかと思いますので、予備知識として簡単にご説明します。

コーチングとは、「質問型のコミュニケーション」を使って相談者と対話をすることで、相手から自発性や潜在能力を引き出していきます。そして、相談者自らが設定した目標を達成できるようサポート(助言)を行います。コーチングの原則では、相談者が抱える問題の解決策を、コーチから具体的に提案することはしないそうです。ここが、コンサルティングとの違いになります。

こうした手法は、次のような前提から成り立っています。
・誰もが皆、可能性を持っている。
・その人が必要とする答えは、その人の中に存在している。
・その答えは、パートナーがいた方が確実に早く見つけることができる。

相談者は、コーチの質問に答えていく過程で、色々な「気付き」や「ひらめき」を得ることができます。その結果、自分で解決策や目標設定を選択していきます。こうして引き出された行動目標は、命令や他人から与えられたものではないため、相談者は積極的に実行しようと思います。つまり、コーチングによって明確な目標とそれを達成しようという「やる気」が引き出されるというわけです。

コーチングには、その対象から、次のような分野があります。
パーソナル・コーチング 個人の自己実現(本来持っている能力や可能性を最大限に発揮すること)をサポートする。
ビジネス・コーチング 質問型のコミュニケーション手法によって、“自分で考え、自分で動ける”自立・自律型の人材を育成する。
エグゼクティブ・コーチング 経営者を対象にした、コーチング。欧米では、大企業のトップがコーチングを受けることは常識化している。


コーチングが注目される社会的背景

20世紀の後半にコーチングが発達し、21世紀に入りなぜ急速に普及してきたのか、そこには社会を取り巻く環境変化があげられます。

▼環境変化による現象
・変化のスピードが速い。
・予測が難しいため、計画通りに物事が進まない。
・経営者やリーダーが持つ、過去の成功体験や方法論が通用しない。
・上からの指示・命令で組織を動かすのでは、変化に迅速に対応できない。
↓  ↓  ↓
現場を動かす人材が、自ら学び答えを見つけていく必要が出てきた。

コーチングつまり、枠組み自体が変化する中では、これまでのやり方では、対応していけないということです。

コーチングの普及は、こうした時代の変化に伴い、従来型の画一的な教育や人材育成から、自発性・主体性を重んじる方向へシフトしたことを意味していると思います。

さらに、先行き不透明なのは企業ばかりではありません。個々人も、仕事のやりがいや将来、さらに人生の目標までもが揺らいでいます。このような時代性から、コーチングが急速に発達してきたものと思われます。

次ページで、高畠真由美さんの独立体験インタビューをご紹介します。