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売れる本の書き方講座【連載3】(2ページ目)

「売れる本の書き方講座」第3回目です。今回の講義は、売れている本の共通点は?、どんなテーマを題材に書いたらよいのか、自分に書けるテーマを探すには?という核心部分をお伺いします。

執筆者:塚田 祐子

「生き方プラスお金」モノが強い

それでは、そこをあえて、独断と「偏見」で斬ってみます。

ひとつは、「生き方もの」。2002年のベストセラー、日野原重明の「生き方上手」などその代表例でしょう。「老いてこそ人生」(石原慎太郎)や、「大河の一滴」(五木寛之著、98年)「大往生」(永 六輔著、94年) どれもこの分野に分類できます。「世界の中心で、愛をさけぶ」(片山恭一)みたいなものもこのジャンルかもしれません。

もうひとつは、「生き方プラスお金」がテーマになっている本。翻訳ものに多く見かけられます。「金持ち父さん 貧乏父さん」のような本です。「チーズはどこに消えた?」もここに入れてもいいかもしれません。

ビジネス分野で売れている本のテーマは

何十万部というベストセラーの話をされても参考にならない。そうおっしゃる気持ちも分かります。次にビジネス本に移りましょう。

■2003年度ベストセラー ビジネス(卜一ハン調べ)
※「書名」著者/出版社の順。

1. 図解成功ノート/神田昌典監修 起業家大学著/三笠書房
2. 年収300万円時代を生き抜く経済学/森永卓郎/光文社
3. 経済のニュースがよくわかる本 日本経済編/細野真宏/小学館
4. 経済のニュースがよくわかる本 世界経済編/細野真宏/小学館
5. 採用の超プロが教えるできる人できない人/安田佳生/サンマーク出版
6. 質問力/齋藤孝/筑摩書房
7. 図解「儲け」のカラクリ(2)/インタービジョン21編/三笠書房
8. 定年後大全/日本経済新聞マネー&ライフ取材班/日本経済新聞社
9. ブッシュの戦争/ボブ・ウツドワード 伏見威蕃訳/日本経済新聞社
10.預金封鎖/副島隆彦/祥伝社


「お金をいかにして儲けるか」というテーマの本か、「よく分かる」「一目で分かる」「サルでも分かる」といった「お勉強もの」に分類できます。要は、読者にとって「実際に役に立つか」という競争に勝った本です。

売れる本のテーマを予想するとするなら

「いまこんなテーマなら出版したい、とか、こんなテーマなら売れるのではないか。そこを教えてください!」よく、こんな依頼をされます。

「ベストセラーの出し方」を教えます、という看板を掲げている評論家と称する人がいます。秘訣を「○○万円でお売りします」なんて宣伝している例も知っています。ほとんど、まゆつばでしょう。競馬や宝くじの予想と同じです。「当たり」が間違いなく分かれば、だれも他人に教える人はいません。

まあ、それを前提に「インチキ予想屋」をやってみます。
「実際に役に立つ」本が売れる傾向は、しばらく続くでしょう。

自分に書けるテーマを探すには

本の出版は起業とそっくりです。起業したい、と思ったらなにをすればいいでしょう。

週末起業」で売り出し中のコンサルタント藤井孝一さんAll About Japan 起業・独立開業ガイド)の著書「週末起業」(ちくま新書)によると、これというネタがない場合、次のような質問を自分にして考えたらどうか、と書いてあります。

・お金を払ってでもやりたいことは何?
・これまでに一番お金をつぎ込んだものは何?
・一晩寝なくてもできること?
・二時間ぶっとおしで話し続けられるものは何?

この考え方は本の出版と非常に似ています。
「好きなこと」
「だれにも負けない得意なこと」
「特別思い入れをもっていること」
「だれもが驚く意外な体験」
はテーマになります。

その上で、本にできる「実際に役に立つ情報」かどうか、とことん吟味するとよいでしょう。

以上、今回は「何をテーマに書いたら売れる?」かを題材にお話しました。次回は、では「出版社は、どうやって書き手を見つけているのか」ということについてお話しておこうと思います。

それでは、ここまでで何かご質問はありますか?

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