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開米瑞浩さんに聞く、図解の技術と使い方(3ページ目)

本屋さんへ行くと、「図解で考えよう!」という本がズラリ。ちょっとしたブームです。そこで、「SEのための図解技術」の著者、開米瑞浩さんに、「ナゼ今図解なのか」「図で考えるとは」についてお伺いしました。

執筆者:塚田 祐子

考える道具としての図解技術をマスターするには

---SEの方が使う図解の技術をマスターするには、本を読んだだけでは難しそうですね。

図解パターンがあるので、実際に使ってみて練習をすれば大丈夫です。ただ、セオリーを読んだだけですぐ身に付くほど簡単なものではないことも確かです。

そのために、研修プログラムのカリキュラムを作って、『実践!図解思考法講座』を開講しています。

これは、私がいままで整理してきた図解と思考のセオリーを、マトリックス、ピラミッド、サーキットという3種類の手法に絞り込んで、ごく簡単な課題から始めて少しずつ身につけていけるようにした講座です。Web と E-mail の通信教育ですからいつでもどこででもできます。一味違う図解・思考・表現のスキルを身につけたい方には、絶対の自信を持っておすすめしますよ。

高校生以上の全ての人に学んで欲しい

---講座は、どんな方が受講されていますか?

SEは半分以下で、だいたい3割か4割かです。あとは、事務職や管理職、広報系の職種の方、大学院生とかお医者さんもいますよ。

---お医者さんもですか?

医療の現場でも、インフォームドコンセントが大事になってきている時代です。でも、病気やその治療法、それに伴うリスクや効果というものを、短時間で患者さんへちゃんと分るように説明することっていうのは難しいわけで。医療業界にもその辺のニーズが、あるんでしょうね。

---業界を問わず必要なスキルになりつつあるということですね。

図解は、人にものを説明するとか、自分で考えて、その考えをまとめていくための道具というかスキルなので、理想論でいえば大学生以上の全ての人に学んで欲しいと思っています。専門知識を学ぶベースとなる基礎学力ともなるから、ホントのホントの理想論で言うと、高校のカリキュラムで教えるべきだと思っています。

フリーから経営者へ、今後の展開は?

---フリーになられて8年目で会社を起こされ、今後の展開は?

図解の技術というのは今後まちがいなくすべての社会人の必須科目ですから、世界中の学生がそれを学べるようにするというのが究極の目標です。

といっても世界中の人に僕が直接教えるわけにはいきませんから、それを教えられる先生を増やすことと、システマチックに効率よく学べるような教材を整備することが課題ですね。今はその教材の整備に力を入れてまして、これを他の教育事業会社と連携して商品化し、ビジネスとして成り立つ形にして一気に普及させることを狙ってます。それを一緒にやっていけるパートナーの開拓が一番の課題ですね。


<インタビューは、さらに図解技術を体系化するまでのストーリーに迫りました。>

図をワープロで書ける時代が来ると、10年前に思った

---開米さんが、図解の技術を体系化して本を出されたり、講座を開講されるまでに至った切っ掛けは、10年程前にあったと先程おっしゃってましたが、切っ掛けというのは?

はっきりした切っ掛けではないですが、一つ言えるのは、10年位前に、「P1.EXE」というワープロソフトが出て、ある程度図が書きやすくなったんですよ。それまでのワープロソフトには、殆ど作図機能はなくて、設計書を書くには、ほとんど使えませんでした。

ところが、ちょっとだけ図が書けるようになった。これなら本当に必要な図を、ワープロで書けるようになる時代が来るんじゃないかと思いました。

---今は設計図を書くのに、どんなソフトを使っていらっしゃるんですか?

今は、マイクロソフトの「Visio(ビジオ)」を使っています。SEでは使っている人が多いです。

本を出版する切っ掛けは? 次ページへ続きます>>
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