起業・会社設立のノウハウ/起業・独立開業の準備

会社の寿命をマネージする 悪夢を見ないで済む方法(2ページ目)

日本で美徳とされがちな「どんなに苦しくてもあきらめずやりぬく」ことが、ビジネスの世界での非常識であり、「会社をたたんでゼロにできるのはいつまでか?」の重要性をご紹介します。

執筆者:小野田 敬

ポイントは下記の2つの「事実上の債務」の監視です。

【1】潜在的に見えるけど見落としがちな「事実上の債務」
【2】会計上カウントされにくい「事実上の債務」

例を挙げてご紹介していきます。

・月次の経費が500万円、同売上が250万円
・資本金が1000万円の場合
・上記の通り、起業以後、月次決算での損益がマイナスの会社


創業して間もない企業では良くある話ですが、この例ではこの会社の寿命は、銀行口座に残っている資本金1000万円を踏まえておよそ4ヶ月あるように見えます。

【1】潜在的に見える「事実上の債務」

リース契約に注意!

リース契約による毎月の支払いは、会計上単にその月の経費に見えるこのコスト。契約上は借り手が契約をキャンセルする場合、リース残存期間分に相当する解約金を支払う義務がある契約が多いので契約書の内容をまずしっかり確認して債務額を管理できるようにしておきましょう。

◇パソコン3台とコピー機1台とファックス1台をリース契約したケース
・毎月の支払額は15万円
・リース契約期間は3年(36ヶ月)契約
・現在は契約締結後2ヵ月目


この場合は単純計算で債務は
15万円×(36ヶ月―2ヶ月)=510万円となります

この場合、運転資金として捉えていたキャッシュの2か月分が既にコストと思わなければならないから、このリース契約だけで、この会社の余命は半分の2ヶ月以下に縮まります。似たような事実上の債務は、従業員の雇用契約(解雇時の条件)、継続的な取引(契約の期間)、不動産解約時の修繕費用など、あらゆることに経営者が判らない、知らないと勘違いしやすいコストには要注意です。

【1】潜在的に見えるけど見落としがちな「事実上の債務」については、キャッシュ残高ではなくバランスシートを注視していれば把握する事は、それほど困難ではないけれど、多くの起業家が軽視しがちなポイントなので注視して監視する必要があります。

次のページでは 【2】会計上カウントされにくい「事実上の債務」をご紹介します。
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