マンション購入術/マンション購入の失敗・トラブル

これであなたも業界通 マンション価格の内訳<後編>(2ページ目)

前編では「分譲価格が決まる仕組み」を簡単に説明いたしましたが、後編では具体例を交えて、価格の内訳について踏み込んで行きます。

平賀 功一

執筆者:平賀 功一

賢いマンション暮らしガイド

■具体的に見てみましょう
分譲価格4000万円のマンションを例に、具体的に金額を当てはめてみましょう。なお、消費税は無視します。

        土地取得費 1400万円
        建築費    1800万円
        販管費    340万円
        近隣対策費 60万円
        利益      400万円
        ----------------------
        分譲価格  4000万円

本来の原価コストが約8割を占め、残りの1割が販売にかかる費用、さらに残りの1割が(営業)利益となります。
前編で「建築コスト」が10%程度上昇していると説明しましたが、この例では戸当たり180万円(1800万円×10%)値上がりする計算になります。現状では販売費用や利益を削ることで、建築費の上昇分を吸収していますが、いずれ限界が来ることは容易に想像されます。

■支払利息も馬鹿にならない
マンションを建設する場合、ほとんどのデベロッパーは資金をメインバンクから借りて行います。規模が大きくなるほど、工期は長く借入金額も膨らみます。

例えば25階建ての高層マンション建設で50億円を金利年2%で借りたとすると、建築確認が下りてから建物を引渡すまでに2年半程度は最低でもかかります。そうするとその間の利息は50億円×2%×2.5(2年半)で2億5000万円になります。

総世帯数が200世帯とすると、単純に1世帯当たり125万円の負担になります。誰が払うかと言えば、もちろん購入者です(汗)

マンション購入を検討されている方は、今後「建築費」や「広告費」という観点で物件を見ることで、違った角度からのアプローチが可能になると思います。

<参考サイト>
住宅広告にはどうして価格表が載っていないの?
(平賀@ガイドのオリジナルサイトへリンクします)
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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