マンションの駐車場は「不公平」だらけ。
日本に分譲マンションが誕生して、およそ半世紀。今ではすっかり身近な居住形態として定着しましたが、その一方で住人の高齢化問題や建物の老朽化問題など、今般、マンションの住み心地を脅かす不安材料が顕在化するようになりました。

その上、かねてから指摘されている「マナー違反」といった各居住者の管理意識の低さが加わり、「自分さえ良ければ…」といった自己中心的な住人の存在が、良好な住生活を阻害する要因になろうとしています。

「ペット飼育」に始まり「騒音問題」や「駐車場問題」と、こうしたトラブルがなくならないのも、元をただせば居住者間の“風通し”が悪い、つまり、意思疎通や合意形成がうまく行われていないことに起因することは疑う余地もありません。何らかの利害をもって住民同士が対立してしまっては、ひとつ同じ屋根の下での共同生活が円滑に営めるはずもないのです。実に、不幸な惨状といえるでしょう。

そこで今回、こうした現状認識のもと、敷地内駐車場のトラブルを通じて「居住者間の公平性」について考えてみたいと思います。日本全体が「格差社会」と呼ばれて久しい中、マンション内における「利権格差」=「不公平感」について、独自の見解を述べることにします。

分譲時の抽選ですべては決まった。区画変更は認めない


埼玉県内のあるマンションで、敷地内駐車場の使用方法をめぐり問題が発生しました。幸い、同マンションには敷地内駐車場が全世帯分用意されており、その点では条件の恵まれたマンションでした。ところが、分譲から5年8カ月、区画入れ替えの可否をめぐって一部住民と管理組合の間で摩擦が生じるようになってしまいました。はたして、どのような問題が起こったのか?……順番に見ていくことにしましょう。

当該マンションはマイカーの所持如何にかかわらず、全世帯が必ず駐車場使用契約を管理組合と結ぶことになっていました。使用料は毎月、管理費などと一緒に徴収されており、管理組合にとっても貴重な収入源となっていました。駐車場は立体式(2階建て)で、「1階」「2階」「屋上」を各駐車スペースとする三層構造。そのため、階数に応じて駐車場使用料に500円の価格差が設けられており、利用者の不利益をなくす一定の配慮がなされていました。ここまでの説明であれば、特段、対立を引き起こすような原因はないように思われます。

ところが、実際の使い勝手に関しては「不公平」との意見が続出していました。というのも、当然、1階と2階には屋根があり、3階にはありません。青空駐車です。その上、1階駐車場はエントランスと直結しているため、雨に濡れることなく、また、段差の心配もなくたどり着くことができました。

2階駐車場は1階駐車場同様、エレベーターを2階で降りることができますが、こちらはマンションと駐車場をつなぐ通路が庭園になっているため、屋根はなく、さらに駐車場へは勾配のあるスロープを渡らなければなりませんでした。雨の日は傘が必要というわけです。そして、3階駐車場はもっと不便で、2階駐車場から階段を使って上がらなければならない構造になっていました。

そのため、不公平感を抱いた3階駐車場の利用者が、駐車区画の入れ替え、および、駐車場使用細則の見直しを管理組合に要望しました。しかし、期待もむなしく管理組合からは以下のような返事が返ってきました。

『区画決定は分譲時の抽選ですべて決まったこと。夏、暑いのは1階も2階も同じだ。全戸分の駐車場があり、全員が敷地内駐車場を利用できているのだから、衡平(公平)でないとは言えない』

この対応ぶりを、どう解釈すればいいのでしょうか?