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ブランドとは何か?(入門編)(2ページ目)

ここ数年、「ブランド」はマーケティングの主要なテーマになっています。ブランドとは何か?なぜ、ブランドが大切なのか?について事例を交えつつお話しいたします。

執筆者:桑畑 穣太郎

ナイキ(NIKE)が提供する顧客価値

オリンピック、ワールドカップ、世界陸上などのTV中継を見ていると、アップで映るアスリートと共にさりげなく登場するものがあります。

あのロゴマーク。そうナイキのロゴマークです。
偶然でしょうか?もちろんそうではありません。

もし、あなたがスポーツシューズを買うときに、「ナイキの靴は格好いい」と思って、「ある程度値段が高くても仕方がない」と納得していたとしたら…。

既にナイキのブランドは、あなたのなかに確立されているわけです。

また、大して品質面では他社製品と変わらないTシャツや靴下、ジャージまでも「ナイキがいい!」ということになれば、ナイキブランドの顧客価値はかなり高いといえるのです。

ナイキは、自らのブランドの顧客価値を高めた結果、あらゆる自社商品全ての価格や収益を維持・向上させることに成功したのです。

ナイキは顧客価値が高まることを見越して、世界の一流スポーツ選手とのライセンス契約を結び、選手を起用したCMの露出などを図りながら、自らのブランド価値を向上させています。
世界規模でのスポーツイベントの協賛などもブランド価値を高める活動の一環といえるでしょう。

スターバックスが提供する従業員価値

今、学生やフリーターの間で大人気のアルバイトがあります。
それはコーヒーストアチェーン「スターバックス」のアルバイトです。
1996年に東京に第一号店を出店して以来、破竹の勢いで店舗数を伸ばしてきました。

「スターバックス体験」と誰もが口を揃えるユニークなお店の考え方は多くの人々に受け入れられました。スターバックスに入ると普通の喫茶店では味わえない体験がいくつもあるからです。

おしゃれなインテリア、エスプレッソ仕立てのコーヒー、活気がありコーヒーの美味しい飲み方を親切に教えてくれる従業員、店内に広がるコーヒーの香りなど、一度足を運んだ顧客は“スターバックスらしさ”に必ず酔いしれるのです。

顧客のアタマのなかで、スターバックスが「ブランド」になった瞬間です。

そういった顧客のなかから、「私もスターバックスで働きたい!」という手が多数上がりました。
それほど高いとはいえない時給であるにもかかわらず、面接希望者は後を断ちません。そして晴れて従業員となった後も、きっちりとトレーニングを受けることになりますが、なぜか活き活きとした表情で働いているのです。

「スターバックスが好きだから働いている」と多くのアルバイトや従業員が口にしています。

つまり、スターバックスはブランド価値を高めた結果、従業員に夢と誇りを持たせることに成功したのです。
結果としてスターバックスは、良質な人材を低コストで獲得し、従業員に最大限のパフォーマンスを追求することができたのです。
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