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空間に浮かぶ映像、2Dから3Dへの魅力(2ページ目)

空間に映像を表示する研究も進んでいる。ウォータースクリーンはその代表例。エンターテイメントの世界で人気だ。このような中、プラズマ発光を用いた3D映像の空間描画の研究成果がでている。

執筆者:木村 勝己


ウォータースクリーンの臨場感


ウォータースクリーンは、水をポンプによって吸い込み水を吹き上げる、あるいは上から下へ吹き下げて水幕を作る。この水幕の背面から観客席に向かってプロジェクターからの映像を写すのである。アミューズメントスタジオの場合は、下のノズルから扇状に水を吹き上げる方法を使っていた。

昨年開催された愛・地球博では、夜8時になるとウォータースクリーンに主人公のスノーモンキー(森からの使者)が活躍する「こいの池」があった。宇宙や人類の築き上げた文明など「美しく夢のようなシーン」が繰り広げられる、現代舞台演出家ロバート・ウィルソン氏によるショーである。ここでも映像だけでなく、池に登場する実物のオブジェとの組合せにより臨場感を演出していた。

プラズマ発光の3D空間描画

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プラズマの発光を用いてのリアルな3次元空間描画写真:産業技術総合研究所
このような中、プラズマ発光を用いた3D映像の空間描画成功のニュースがあった。2006年2月7日に独立行政法人 産業技術総合研究所から発表されたものである。慶應義塾大学と株式会社バートンを含めた共同研究の成果という。

集光レーザー光を空間中にフォーカスし、焦点近傍の空気をプラズマ化して発光させるもので、焦点位置とプラズマの輝度・コントラストを3次元空間中に自由に制御することで、空中に実像としてのドットアレイからなる3D映像の表示を実現した。

大空間に描かれた3次元映像を、多くの人が映画のように同時に鑑賞できるものだ。従来の両眼視差利用時の焦点疑似感覚で起こる生理的不快感などの問題を解決する、3D映像の提供を目的としている。

この技術には次ページのような経緯があった。
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