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時代の先を読む、iモード生みの親のコンセプト(2ページ目)

携帯電話でインターネットのホームページ閲覧や、電子メールの送受信ができる仕組みを創り出した立役者、松永真理氏。創造力あふれた人々を集め、アイデアをかたちにしていくコンセプトメーカーである。

執筆者:木村 勝己




NTTドコモへの転職

管理職になり、編集長として活躍していたころ、NTTドコモから「新しい情報配信事業のコンテンツ企画」の誘いがあり転職。ゲートウエイビジネス部企画室長としてiモードのコンテンツ開発を開始する。1997年の時である。

早速新しい組織のスタッフと基本コンセプト作りを行う。社内公募とリクルート時代の人脈や、社外の編集者などを加えた混成チームである。時代の流れへの感度が高い人間が集まったチームだ。

約1年半の開発期間を経て1998年にプレス発表。しかし反応は悪くわずか7人の報道関係者しか集まらない。そして1999年、広末涼子を起用しての再発表だ。この時集まったのは500人、予定の3倍の大反響であった。

当初の1ヶ月はiモード対応機種は富士通のF501iのみしかなかったが、すぐにはずみがつき、予定を上回る勢いでのび冒頭の販売台数になったのである。

「iモード」のコンセプト

「iモード」のネーミングのiはツーリストインフォメーションの頭文字をイメージしているそうだ。旅先で困った時に飛び込めば、誰でも情報を得られるスポットのイメージである。

2003年10月からは4000万人以上の契約数になり、iモード機能のついた携帯電話を使ってメールを送受信したり、ゲームを楽しんだり、ニュースを読んだり、レストラン情報を探したりしている。いまやインターネットバンキングやチケット予約などのサービスが広がり、いつでもどこでも情報にアクセスできる、ユビキタス社会に必須の技術となっている。iモードのコンセプトが生きているのだ。

しかし松永氏は次ページのように技術に優れていたわけではない。
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